Facebookページの掲載記事(2021.10.16)

 2021年10月16日に、菜園家族じねんネットワーク日本列島Facebookページhttps://www.facebook.com/saienkazoku.jinen.network/に掲載した記事を、以下に転載します。

 なお、新プロジェクト“菜園家族じねんネットワーク日本列島”の趣意書(全文)― 投稿要領などを含む ― は、こちらをご覧ください。

晩秋、田園の夕暮れ

【“農ある暮らし”の復権】
 今週は、米価の急下落、稲作農家を直撃の報道。こうした状況では、農山村の地域衰退、特に農家の後継者不足にさらなる拍車をかけることになるのは間違いない。
 他方、コロナ災禍のもと、小中学生の「不登校」は、過去最多の19万人。小中高の児童・生徒の自殺者数も、415人で最多を記録。生活環境の変化で、多くの子供たちが心身に不調をきたしたことが一因であるという。

 こうした暗いニュースが相次ぐ中、かつての滋賀県立大学時代のゼミの女子学生の父親である池本清和さん(滋賀県甲賀市水口町)から、秋一番の新米が届いた。少年時代、茨城県北・常陸太田の在で味わった、炊きたての新米の香りとうまみが懐かしく思い出される。

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Facebookページの掲載記事(2021.10.12)

 2021年10月12日、菜園家族じねんネットワーク日本列島Facebookページhttps://www.facebook.com/saienkazoku.jinen.network/の「コミュニティ」欄に、出口尚弘さん(神戸市北区)からご投稿をお寄せいただきました。以下に転載いたします。

 なお、新プロジェクト“菜園家族じねんネットワーク日本列島”の趣意書(全文)― 投稿要領などを含む ― は、こちらをご覧ください。

2021秋 神戸市北区の里山(撮影:出口尚弘)
2021秋 神戸市北区の里山(撮影:出口尚弘)

 少し歩けば農村風景が広がる私の住む里にも秋風が吹き、彼岸花や黄金色の稲穂が揺れる秋たけなわの時節です。
 私は今春、『菜園家族レボリューション』等の小貫雅男先生の著書に初めて接し、共鳴するところ多くあり、この度「菜園家族じねんネットワーク日本列島」が発足されるにあたり、早速に私の住む里山住宅地からの発信を試みたいと思います。

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菜園家族じねんネットワーク日本列島Facebookページの掲載記事(2021.10.4)

 2021年10月4日に、菜園家族じねんネットワーク日本列島Facebookページhttps://www.facebook.com/saienkazoku.jinen.network/に掲載した記事を、以下に転載します。

鈴鹿山中・大君ヶ畑集落を流れる犬上川(北流)
鈴鹿山中を発し、山深い大君ヶ畑集落を流れる犬上川北流。やがて彦根市街を貫流し、琵琶湖に注ぐ。

 Facebookページの最初のご投稿は、ぜひ、地元の森と湖を結ぶ流域地域圏からこの方にと、準備をはじめた当初から、思い定めていた人がいます。

 鈴鹿山中を源に琵琶湖に注ぐ犬上川と芹川。この流域地域圏の中核都市、彦根。
 今から25年ほど前、この湖畔の城下町に来て間もない頃、土地ならではの味覚と人との出会いを求めて立ち寄ったのが、商店街の一角、昔懐かしい映画劇場の隣に佇む小さなスタンド割烹のお店でした。

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新プロジェクト“菜園家族じねんネットワーク日本列島”開始のお知らせ

 新型コロナ・パンデミックと気候変動の歴史的大転換期にあって、当里山研究庵Nomadは、新プロジェクト“菜園家族じねんネットワーク日本列島”をスタートさせ、2021年10月4日にFacebookページ一般公開しました。

新プロジェクトの趣意書(全文)― 投稿要領などを含む ― は、こちらに掲載

 新プロジェクトのFacebookページでは、日本列島各地のみなさんからお寄せいただくさまざまな情報やご意見 ― 季節季節の自然の移ろい、日常普段の暮らしやなりわい、生活への思いなど身近な話題、「地域づくり」や「まちづくり」の取り組み、地域が抱える具体的な課題、長年取り残されてきた理論上の諸問題などなど ― を随時、掲載していきたいと思っています。

 人と人とのつながりが寸断され、混迷の淵に沈んでいる今、このFacebookページが、全国各地のみなさんを結び、明日への思いを語り合う、生気溢れる交歓の広場(プラットフォーム)に育っていけばと願っています。

 さらには、このプロジェクト“菜園家族じねんネットワーク日本列島”が、多くの方々の主体的参加によって、インターネット上の仮想空間にとどまることなく、やがて全国各地の農山漁村や都市部など現実世界においても一段と力量を発揮し、21世紀、地域コミュニティの創造という新たな地平に向かって、徐々にではあるが着実に進化を遂げていくことを、そして、そのために微力ながらも縁の下の力持ちの役割を果たしていければと願っています。

 Facebookページへの投稿要領は、趣意書(全文)に記載しています。みなさまからの文章・写真・イラスト・動画などをお待ちしています!

菜園家族じねんネットワーク日本列島Facebookページ
 https://www.facebook.com/saienkazoku.jinen.network/

2021年10月4日

里山研究庵Nomad
主 宰 小貫 雅男
研究員 伊藤 恵子

〒522-0321 滋賀県犬上郡多賀町大君ヶ畑452番地
里山研究庵Nomad
TEL&FAX:0749-47-1920
E-mail:onuki@satoken-nomad.com
https://www.satoken-nomad.com/

新プロジェクト“菜園家族じねんネットワーク日本列島”趣意書(全文)

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
”菜園家族じねんネットワーク日本列島”趣意書
(全文、PDF:519KB、A4用紙5枚分)

【新プロジェクト趣意書(全文)】

気候変動とパンデミックを超えて
確かな未来へ

      森と海を結ぶ

菜園家族じねんネットワーク日本列島
(略称:プロジェクト“菜園家族じねんネット”)

―― 草の根の英知の結集と切磋琢磨、そして民衆連帯の形成 ――

 目先の利得に囚われ、長年、「その場凌ぎ」にすっかり慣らされてきた近視の目には、遠景は霞み、歪み、果てには見えなくなる。遠方に広がる無限の可能性、豊かな多様性はいつしか見過ごされてしまう。
 打つ手打つ手のすべてが、後手後手になる。その最大の原因は、まさにこのことにある。
 私たちは一旦、そこから離れ、はるか遠い世界に目を遣り、じっくり考え、長期ビジョンのもとに、新たな世界へ挑む決断と勇気を持たなければならない。今まさに、その時に来ているのではないか。

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新著『気候変動とパンデミックの時代 生命系の未来社会論』(御茶の水書房)が刊行されました!

 このたび、新著『気候変動とパンデミックの時代 生命系の未来社会論 ―抗市場免疫の「菜園家族」が近代を根底から覆す―』(小貫雅男・伊藤恵子 著、御茶の水書房、A5判並製・371頁、2021年3月19日)が刊行されました。

『生命系の未来社会論』(小貫雅男・伊藤恵子、御茶の水書房、2021年3月)

 

 

   気候変動とパンデミックの時代
   生命系の未来社会論
 ―抗市場免疫の「菜園家族」が近代を根底から覆す―

小貫雅男・伊藤恵子 著
御茶の水書房 http://rr2.ochanomizushobo.co.jp/
A5判並製・371頁、2021年3月19日発行
定価:2,860円(税込)

 

◆本書の要旨◆

         気候変動とパンデミックの時代
         自然観と社会観の分離を排し
         両者合一の普遍的原理を
         社会変革のすべての基礎におく。

           生命系の未来社会論 具現化の道
           「菜園家族」社会構想の根底には
           人々の心に脈々と受け継がれてきた
           大地への回帰と止揚(レボリユーシヨン)という
           民衆の揺るぎない歴史思想の水脈が
           深く静かに息づいている。

         まさにこの民衆思想が
         冷酷無惨なグローバル市場に対峙し
         大地に根ざした
         素朴で精神性豊かな生活世界への
         新たな局面を切り拓く。

           世界は変わる
           人が大地に生きる限り。

                       ~扉のことばより~

 以下に、目次と著者からのメッセージを掲載します。
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YouTubeにダイジェスト版『四季・遊牧 ―ツェルゲルの人々―』を公開しました!

 このたびYouTubeに、ダイジェスト版『四季・遊牧 ―ツェルゲルの人々―』(前編・後編 各1時間40分)を公開しました。
 モンゴル山岳・砂漠の村の大自然と、そこに生きる遊牧民たちの1992年秋から1年間の暮らし、地域再生の模索を描いたこの映像作品は、「コロナ後」の世界を根源的に問いかけてきます。

   甦る大地の記憶
      心ひたす未来への予感

【前 編】(1時間40分)
~秋・冬・早春~
https://youtu.be/8ckpvZv3blc

【後 編】(1時間40分)
~春・夏・晩秋~
https://youtu.be/8WR0TCZd7O0

監督・撮影:小貫雅男
編集:伊藤恵子
企画・制作:里山研究庵Nomad

『四季・遊牧』を推す  映画監督 山田 洋次
モンゴルを深く知る人によって、はじめてとらえることのできる迫力が画面に溢れ、一年間をともに過ごした何組もの遊牧の家族たちへの熱い愛情と、その人たちの暮らしのあり方への敬意が胸を打つ。

制作者からのメッセージ

    かけがえのないこの作品世界を
    気候変動とパンデミックの脅威に晒され
    21世紀を生きるすべての人々へ ――

 新型コロナウイルスは、地球規模に拡散。2020パンデミックの脅威は、世界を一気に震撼させた。そして、何よりも私たちの生活のあり方そのものを根底から揺るがすものである。
 人々はこの惨禍に喘ぎながらも、時が経つにつれて、街の賑わいが日常に戻り、何もなかったかのように、素知らぬ顔でまた同じ道を歩きはじめる。
 ドキュメンタリー映像作品『四季・遊牧―ツェルゲルの人々―』は、このどうしようもない人間の業(ごう)とも言うべき性(さが)に対して、警鐘にも似た喚起を促すにちがいない。
 いつしかこの作品世界にどっぷり浸り、私たち自身の生き方が、そしてこれまでの私たち社会のあり方そのものが、果たしてこのままでいいのかどうかを根源的に問いかけられていることに気づかされるであろう。
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新著『世界に誇る日本国憲法 究極の具現化 新生「菜園家族」日本 ―東アジア民衆連帯の要―』(本の泉社)が刊行されました!

 このたび、新著『世界に誇る日本国憲法 究極の具現化 新生「菜園家族」日本 ―東アジア民衆連帯の要(かなめ)―』(小貫雅男・伊藤恵子 著、本の泉社、A5判並製・384頁、2019年9月)が刊行されました。

表紙『新生「菜園家族」日本―東アジア民衆連帯の要―』(小貫雅男・伊藤恵子、本の泉社、2019年9月)

 

 

世界に誇る日本国憲法 究極の具現化
  新生「菜園家族」日本
 ―東アジア民衆連帯の要(かなめ)

小貫雅男・伊藤恵子 著
本の泉社 http://www.honnoizumi.co.jp/
A5判並製・384頁、2019年9月発行
定価:本体2,500円+税

 

◆本書の要旨◆

             世界は変わる
            人が大地に生きる限り

         「菜園家族」の未来構想の根底には
         人々の心に脈々と受け継がれてきた
         大地への回帰と止揚(レボリユーシヨン)という
         民衆の揺るぎない歴史思想の水脈が
         深く静かに息づいている。

           まさにこの民衆思想が
           冷酷無惨なグローバル市場に対峙し
           素朴で精神性豊かな21世紀未来社会への
           新たな局面を切り拓く。

         世界に誇る日本国憲法 究極の具現化
         新生「菜園家族」日本が
         「東アジア世界」の分断と対立の
         長き歴史に訣別を告げ
         やがて東アジア民衆の連帯に
         先鞭をつけるにちがいない。

           混迷と保身の「令和」の時代
           たとえそれがどんな時代になろうとも
           あなたの夢を忘れないで。

                       ~扉のことばより~

       小さな「地域」から覗く世界の真実

         東アジアの片田舎の小さな「地域」
         人知れず権力と闘った
         民衆の苦闘の姿を見つめ
         この地域世界の特質と課題を明らかにし
         21世紀、私たちの未来への展望を探る。

                       ~帯(ウラ)のことばより~

 以下に、目次と著者からのメッセージを掲載します。
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命運の岐路に立たされた若者たち ―『きけ わだつみのこえ』、そして今日の学生の苦悶のレポートから ―

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
命運の岐路に立たされた若者たち ―『きけ わだつみのこえ』、
そして今日の学生の苦悶のレポートから ―
(2018年9月28日付、PDF:487KB、A4用紙15枚分)

命運の岐路に立たされた若者たち
―『きけ わだつみのこえ』、そして今日の学生の苦悶のレポートから ―

                                      伊藤恵子

はじめに ― 二人の「学徒」の訃報に思う
Ⅰ 大学にも忍び寄る軍事「新大国主義」の影
Ⅱ 学生たちと『きけ わだつみのこえ』を読む
Ⅲ 悩み、逡巡する今日の若者たち ―弱肉強食の競争にまみれて
Ⅳ 「菜園家族」構想と平和主義をめぐって ―学生のレポートから考える
おわりに ―真綿締めの苦悶にもがく今日の若者たち―「未発の可能性」を信じて

はじめに ― 二人の「学徒」の訃報に思う
 今年2018年梅雨の頃、新聞で相次いで2人の訃報が目に留まった。
その1人は、6月7日に101歳で亡くなった日高六郎さん(1917年生まれ)。平和と民主主義について、戦前、戦中の自己の体験にも基づきながら、一人ひとりの人間のレベルからはじまり、社会全体のあるべき姿を展望しつつ深く思索し、戦後の市民運動に取り組んできた社会学者、評論家である。
 日米が開戦した1941年12月8日、東京帝国大学文学部の学生だった。繰り上げ卒業、そして召集という運命が目前に迫り、学生たちには落ち着かない空気が流れていた。しかし教授たちの反応は違った。はっきりけりがついて、さばさばした。暗雲低迷が一時に晴れわたった感じだというのである。町の人々も同様で、どちらでもいいから早く決着をつけてくれ、という気分だったという。
 卒業後、陸軍に入営するが病気除隊。文学部助手となるも、80人ほどいる教授らの中で、1931年からはじまった戦争に対して本当に批判的だったのは、フランス文学の渡辺一夫氏(1901~1975)と言語学の神田盾夫氏(1897~1986)の2人だけであることに、絶望感を抱いていたという。
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暗闇に射し込む一筋の光 ―人間そんなに弱いものではない―

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
暗闇に射し込む一筋の光 ―人間そんなに弱いものではない―
(2018年7月17日付字句加筆・訂正版、PDF:231KB、A4用紙5枚分)

暗闇に射し込む一筋の光
― 人間そんなに弱いものではない ―

                                      小貫雅男
                                      伊藤恵子

若き魂への伝言
 2018年7月3日、首相官邸への通路で待ち構えていた記者団に囲まれ、「昨夜のサッカーW杯日本対ベルギー戦の感想は・・・?」と訊かれ、安倍首相は「この2週間、本当によい夢を見させてもらいました」と、平然と笑みを浮かべ、そそくさと通り過ぎていった。
 ご本人は、森友・加計問題で窮地に追い込まれ、崖っぷちに立たされていたまさにその時である。サッカーW杯熱狂の神風が運良く吹き荒れ、国民の関心は、こぞってその渦の中へと一気に吸い込まれていった。何ともやりきれない、ふてぶてしさだけがあとに残る。
 それがどんな夢なのか知る由もないが、よもや「国民一億総熱狂のおかげで救われました」などと、本心は口が裂けても言えまい。
 ちょうどこの対ベルギー戦を控えた7月2日、大勢の報道陣を前に、国民栄誉賞授与式なるものが行われた。首相は、人気絶頂の若いフィギュアスケート選手を前にして、まことしやかな言葉を交わし、実に神妙に儀式を執り行った。
 国会を愚弄する破廉恥も、巧妙な虚言も、来たる「選挙」のために、それで相殺できるとなれば、何でも厭わずやってのけるのだ。
 首相就任以来この方、こうした見え透いた細々とした偽善なるものを実にこまめに織り交ぜ、せっせと繰り返しながら、忌まわしい本質をすっかり覆い隠し、何とか政権を維持してきた。こざかしさを通り越し、権力への恐るべき執念と言うほかない。
 こんな小手先のごまかしで、これまでは国民を騙すことができたとしても、それは、なんぼ何でももはや限界なのだ。民衆を決してあなどってはならない。
 サッカーW杯に沸く狂騒のまさにそのさなか、落語家の桂歌丸さんは壮絶な死を遂げた。世人の笑いを誘い、庶民に生きる力を与え、死力を尽くして励まし続けてきた歌丸さん。身を削り、いのち尽きる直前まで、あきらめず己の道を究め、ついに81年の生涯を閉じた。さわやかな、揺るぎないその使命感にただただ驚嘆するばかりである。
 そんなに心配するほど人間は弱くはないのだよ、と身をもって語りかけてくるようだ。鬱屈したこの欺瞞の時代。壮絶なそのさいごの姿は、暗闇に射し込む一筋の光となって、人々の心に甦る。

米朝首脳会談を新たな角度から考える
 懐疑と期待の念をない交ぜながら、2018年6月12日、急ごしらえの米朝首脳初会談に、世界の人々の目は釘付けにされた。
 その評価をめぐる議論はさまざまである。確かに米朝間での軍事的威嚇の応酬による一触即発の核戦争の脅威を一時的にせよ回避した面は否定できないが、より重要な視点を見落としてはならないのではないか。
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