
“シリーズ21世紀の未来社会(全13章)”の要諦再読―その16―
“シリーズ21世紀の未来社会(全13章)”の
◆要諦再読◆ ―その16
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19世紀未来社会論のアウフヘーベン
―自然と人間社会の全一体的検証による―
◆ こちらからダウンロードできます。
要諦再読 ―その16―
“19世紀未来社会論のアウフヘーベン”
(PDF:491KB、A4用紙6枚分)
21世紀未来社会論の核心に「地域生態学」的理念と方法をしっかり据える
ところで、私たちが今生きている21世紀現代社会は、分かり易く単純化して言うならば、「家族」、「地域」、「国」、「グローバルな世界」といった具合に、多重・重層的な階層構造を成している。
最上位の階層に君臨する巨大金融資本が、あらゆるモノやカネや人間や情報の流れを統御支配する。そしてそれは、それ自身の論理によって、賃金労働者(高次奴隷身分)という根なし草同然の人間の社会的生存形態を再生産するとともに、同時に社会のその存立基盤そのものをも根底から切り崩しつつ、この巨大システムの最下位の基礎階層に位置する「家族」や「地域」の固有の機能をことごとく撹乱し、衰退させていく。
このことが今や逆に、この多重・重層的な階層システムの巨大な構造そのものを土台から朽ち果てさせ、揺るがしている。
まさにこれこそが、近代経済学が機能不全に陥った要因の根源であり、同時に治療の術を失った末期重症の現代資本主義の姿ではないのか。これが今日のわが国社会の、そして各国社会の例外なく直面している現実である。