長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第4章

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第二部 生命系の未来社会論の前提
―その方法論の革新のために―

第4章
 末期重症の資本主義と機能不全に陥った近代経済学
 
―21世紀未来社会論のさらなる深化のために―

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第4章
(PDF:612KB、A4用紙10枚分)

岩にしがみつくタカ(銅版画調・カラー)

近代を超えて新たな地平へ
 わが国は2011年3月11日、巨大地震と巨大津波、そして福島第一原発事故という未曾有の複合的苛酷災害に直面した。そして、地球温暖化による気候変動、「数十年に一度の」自然災害が日本列島のどこかで毎年のように頻発する異常気象、2020年新型コロナウイルス・パンデミック、さらには2022年2月24日にはじまるウクライナ戦争。
 これら一連の世界的複合危機は、巨大都市集中、エネルギー・資源浪費型の私たちの社会経済の脆さと限界を露呈させた。

 この近代文明終焉の分水嶺とも言うべき歴史の一大転換期に立たされた今なお、相も変わらず大方の評者、なかんずく主流派を自認する経済学者やエコノミストは、広く市井の人々を巻き込む形で、従来型の金融・財政上の経済指標や経済運営のあれこれの些細な操作手法に固執、埋没し、目先の利得に一喜一憂する実に狭隘な議論に終始している。

 まさにこうした昨今の憂うべき時流にあって、マクロ経済学について門外漢である者としては軽率との誹りは免れようもないが、敢えて本論に入る前に、金子貞吉著『現代不況の実像とマネー経済』(新日本出版社、2013年)などの論考を参照しつつ、自分なりに近代経済学の辿った歴史の展開過程とその性格を見極め、整理しておくことにした。
 このことによって同時に、アベノミクスなるものによって煽られた経済政策の淵源とその本質も自ずから明らかになってくるはずである。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第3章

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第一部 生命系の未来社会論、その生成と到達
―自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理を基軸に―

第3章
 資本の自己増殖運動と飽くなき人間欲望の結末こそ、野獣世界への退化

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第3章
(PDF:431KB、A4用紙7枚分)

人間の頭(銅版画調・カラー)

1.人間に特有な「道具」の発達が人類史を大きく塗り替えた

 受精卵の子宮壁への着床から成人に至る人間の個体発生の過程は、人類が出現して以来、これまでも繰り返されてきたし、これからも永遠に繰り返されていくであろう。
 だとすれば、「常態化された早産」によってあらわれる脳の未成熟な「たよりない能なし」の新生児も、これから先も永遠に繰り返されて、母胎の外にあらわれてくることになるであろう。

 子宮内の変化の少ない温和な環境から、突然外界にあらわれた新生児の新たな環境は、母の胎内とはまったくちがったものである。それは、「家族」という原初的ないわば社会的環境と、それをとりまく大地という自然的環境、この2つの要素から成り立っている。
 人類が出現した時点から数えても、今日まで少なくとも二百数十万年もの間、人間の赤ちゃんは、子宮内の温和な環境から、突然、この2つから成る環境、すなわち原初的な社会環境である「家族」と、大地という自然的環境に産み落とされ続けてきたことになる。

 昔と変わらず今日においても、胎外に生まれ出たこの未完の素質を最初に受け入れ、「養護」する場は、ほかでもなく「家族」であり、それをとりまく大地である自然なのである。そして、どのようにでも変えうる可能性を秘めたその未熟な脳髄は、繰り返しこの「社会」と「自然」という2つの環境から豊かな刺激を受けつつ変革され、人間特有の発達を遂げながら、他の動物とは際立った特徴をもつ人間につくりあげられてきた。

 人間形成のこの2つの環境は、少なくとも二百数十万年という長い人類史の大部分の間、主として自然界の内的法則にのみ従って、基本的には大きな変容を蒙ることもなく、緩慢な流れの中にあって、時代は過ぎていった。
 ただし、原初的な社会的環境である「家族」の方が、まず先行して、ゆっくりではあるが徐々に変化の兆しを見せはじめる。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第2章

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第一部 生命系の未来社会論、その生成と到達
―自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理を基軸に―

第2章
 人間と「家族」、その奇跡の歴史の根源に迫る

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第2章
(PDF:458KB、A4用紙9枚分)

キツネ

 本連載においては、ここまでに触れてきた「労」「農」人格一体融合の人間の新たな社会的生存形態「菜園家族」を基軸に、21世紀社会のあり方を構想していくことになるのであるが、「家族」というものについては、歴史的にも実にさまざまな評価がなされてきた経緯がある。特に近代に入るとその評価はきわめて否定的なものになり、今日に至ってもその傾向は根強く存在している。

 一方、まさに“生命系の未来社会論”具現化の道である「菜園家族」社会構想においては、むしろ「家族」がもつ積極的な側面を再評価し、これを地域や社会の基底を成す不可欠の基礎的共同体として、あるべき未来社会の多重・重層的な地域構造を下から形づくり支える大切な役割を担うものと位置づけている。

 「菜園家族」を基調とする21世紀の社会構想の具体的な内容に入る前に、まずこの章では、今なぜ「家族」に着目し、それを重視しなければならないのかを明らかにするためにも、「家族」とは本来、人類にとっていかなるものであるのかをあらためて見つめ直すことからはじめたい。

「家族」の評価をめぐる歴史的事情
 岸田前首相が打ち出した「異次元の少子化対策」が、この間、国会等でもにわかに取り沙汰されてきた。しかし、根源的視点が抜け落ちたまま議論が進行していると言わざるを得ない。

 これまで「家族」については、歴史的に実にさまざまな評価がなされてきた経緯がある。特に今日においては、ジェンダー的視点から「家族」に対する否定的評価が強まる一方、旧統一教会や自民党に典型的な、非科学的で古色蒼然たる家父長的家族観も根強くあり、「家族」をめぐる議論は混迷を極めている。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第1章(その3)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第一部 生命系の未来社会論、その生成と到達
―自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理を基軸に―

第1章
 生命系の未来社会論、その具現化の道「菜園家族」社会構想の問題意識
 (その3)

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第1章(その3)
(PDF:601KB、A4用紙12枚分)

フクロウ(銅版画調・カラー)

3.今こそ近代の思考の枠組み(パラダイム)を転換する ―“生命系の未来社会論”の措定―

未踏の思考領域に活路を探る
 「菜園家族」とは、大地から引き離され、自立の基盤を失った現代の「賃金労働者」が、自立の基盤としての「菜園」との再結合を果たすことによって創出される新たな家族形態のことである。
 それはつまり、大地から遊離し根なし草同然となった不安定な現代賃金労働者(サラリーマン)が、大地に根ざして生きる自給自足度の高い前近代における「農民的人格」との融合を果たすことによって、21世紀の新たな客観的諸条件のもとで「賃金労働者」としての自己を止揚(アウフヘーベン)し、抗市場免疫に優れた、より高次の人間の社会的生存形態に到達することを意味している。

 本連載で提起する“生命系の未来社会論”の具現化としての「菜園家族」社会構想を、懐古趣味的アナクロニズムの妄想として一蹴するのは簡単ではあるが、それでは人間の存在自身を否定する、非正規労働という身分保障もない、差別的低賃金の不安定雇用が蔓延する今日の事態を乗り越え、非人間的で非人道的な現実をどうするかの解答にはならない。
 これに答えるためには、結局、近代の所産である「賃金労働者」という人間の社会的生存形態が、はたして永遠不変のものなのか、という根源的な問いに行き着かざるを得ないであろう。

 19世紀以来今日まで、未来社会論の基調は、生産手段の社会的規模での共同所有と、これに基づく共同管理・運営を優先・先行させることにあった。そして、新しく生まれるこの社会主義社会の初動の段階において主導的役割を果たすべき構成員は、近代に引き続き「賃金労働者」であることが暗黙の前提となっていた。
 しかし、今やこの理論自体に根本からメスを入れ、新たなパラダイムのもとに、19世紀以来拘泥してきた未来社会論を止揚(アウフヘーベン)しなければならない時に来ている。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第1章(その2)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第一部 生命系の未来社会論、その生成と到達
―自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理を基軸に―

第1章
 生命系の未来社会論、その具現化の道「菜園家族」社会構想の問題意識
 (その2)

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第1章(その2)
(PDF:487KB、A4用紙8枚分)

新緑の大君ヶ畑集落(犬上川北流の川岸)
犬上川北流のほとりに佇む限界集落・大君ヶ畑(滋賀県・鈴鹿山中)

2.生命本位史観に立脚し「家族」と「地域」の再生を探る

いのちの再生産とモノの再生産の「二つの輪」が重なる家族が消えた
 かつては、いのちの再生産の輪と、モノの再生産の輪が、二つとも「家族」という場において重なっていた。それゆえ家族は、大地をめぐる自然との物質代謝・物質循環のリズムに合わせて、時間の流れに身をゆだね、ゆったりと暮らしていた。
 ところが、世界史的には18世紀のイギリス産業革命以降、社会の分業化が急速にすすむ中で、不可分一体のものとして存在していた「農業」と「工業」は分離し、まずは「工業」が、次いで「農業」も家族の外へと追い出されていく。その結果、「家族」という場において、いのちの再生産とモノの再生産の「二つの輪」が重なる部分はますます小さくなってしまった。

 戦後日本の高度経済成長は、こうした傾向にいよいよ拍車をかけ、その極限にまで追いやっていった。それゆえ今日の家族は、生きるために必要な食料はもとより、育児・教育、介護・医療・保険等に至るすべてを、家の外で稼いだ賃金で賄わなければならなくなった。このことは同時に、人間が自然から乖離し、無機質で人工的な世界の中で家族がまるごと市場に組み込まれ、熾烈な競争にもろに晒(さら)されることを意味している。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第1章(その1)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第一部 生命系の未来社会論、その生成と到達
―自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理を基軸に―

第1章
 生命系の未来社会論、その具現化の道「菜園家族」社会構想の問題意識
 (その1)

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第1章(その1)
(PDF:683KB、A4用紙11枚分)

大きなワシ(銅版画調・カラー)

1.21世紀の今、なぜ近代の人間の社会的生存形態「賃金労働者」を問い直すのか

迫り来る世界的危機のまっただ中で ―過剰の中の貧困
 投機マネーに翻弄(ほんろう)される世界経済。新型コロナウイルス・パンデミックのさなかにあっても、一握りの巨大金融資本、巨大企業、富裕層にますます莫大な富が集積する一方で、まともな医療さえ受けられず、路頭に迷う圧倒的多数の民衆。

 それでもこの機に乗じて、DX(デジタル・トランスフォーメーション)なるものによる新たな成長への幻想を演出しつつ、これまで急速に拡大させてきたにわか仕込みの観光産業※1 と、とどの詰まりはその背後にある巨大金融資本救出のための「Go To トラベル」だの、「Go To イート」だのと、感染拡大防止とは真逆の愚策に1兆数千億円もの国民の血税を注ぎ込む。ここに至ってもなお「浪費が美徳」の経済を煽(あお)る姿に、やるせない思いがつのる。
 果てには岸田自民党政権の軍拡大増税に至っては、狂気の沙汰である。ついに、かつての軍国日本の道に一歩踏み込んでしまった。オオタニサン!!などと浮かれている場合ではないのである。

 一方、容赦なく迫りくる地球温暖化による異常気象と、世界的規模での食料危機。国内農業を切り捨て、農山村を荒廃させ、食料自給率過去最低の37パーセント(2018年度)に陥った日本。2024年のこの夏には、小売店の店頭で米の品切れが現実に起こりうるのだということを、多くの国民が一瞬ではあるが実感することとなった。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」プロローグ(その2)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

プロローグ (その2)
 ―身近な過去を振り返り、はるか彼方の「未来」を考える―

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
プロローグ(その2)
(PDF:593KB、A4用紙10枚分)

星空と木

迷走する新型コロナウイルス対策
 「わずか1ヵ月半で流行をほぼ収束できた。日本モデルの力を示した」。新型コロナウイルスの緊急事態宣言を全国で解除した2020年5月25日、安倍晋三首相(当時)は、こう言い放って胸を張った。その後、根拠のない楽観ムードはいっそう強まる一方であった。

 同年6月24日、西村康稔経済再生相は、専門家会議(座長 脇田隆字・国立感染症研究所長)を廃止し、感染防止と社会経済活動の両立を図る必要があるとして、感染症の専門家以外にも、経済、自治体関係者や、情報発信の専門家らを加え、第二波に備えるとした。特措法に基づき、政権の責任転嫁の装置とも言うべき新たな会議体「新型コロナウイルス感染症対策分科会」なるものを設置すると表明。これだけはなぜかそそくさと実行に移した。

 世界規模で見れば、アメリカ、イギリス・フランス・イタリア・スペイン・ドイツなどEU諸国、ロシア、ブラジルをはじめとする中南米、インド、中東、アフリカなど、依然としてコロナが猛威を振るう国や地域が多く、感染増加ペースは減速どころか、加速していった。

 こうした厳しい現実に目を伏せ、わが国の政財界の主導的上層部は、「経済を回し、新しい日常を取り戻す」を呪文のごとく繰り返し唱えつつ、国民には「新しい生活様式」をと自助努力のみを促し、性懲りもなく刹那的「体験型」消費形態なるものを取り戻し、何が何でも経済を「好転」させようとした。
 「Go To キャンペーン」と称して、「Go To トラベル」、「Go To イート」、「Go To イベント」、「Go To 商店街」などと次々と繰り出し、コロナ以前の市場原理至上主義「拡大経済」、つまり人間の欲望を煽り、際限なく肥大化させ、経済格差、人間の分断と対立を助長する、かつてのあの非人道的で忌まわしい社会・経済システムにとにかく戻したいというのである。そして、その対価としての多大な最終的犠牲は、とどのつまり民衆につけ回すのである。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」プロローグ(その1)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

プロローグ (その1)
 ―身近な過去を振り返り、はるか彼方の「未来」を考える―

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
プロローグ(その1)
(PDF:484KB、A4用紙7枚分)

夏の銀河 trim3

意志あるかのように人間どもの隙を突いてきた新型コロナウイルス
 1990年代初頭、ソ連社会主義体制の崩壊を境に、第二次大戦後の世界を規定してきた米ソ二大陣営の対立による冷戦構造が消滅し、アメリカ単独覇権体制が成立することになる。
 しかしそれも束の間、アメリカ超大国の相対的衰退傾向の中、その弛緩に乗ずるかのように、西欧諸国、ロシアといった旧来の伝統的大国に加え、中国など新興大国が入り乱れる地球規模での新たな多元的覇権抗争の時代が幕を開けた。
 今や世界は憎しみと暴力の坩堝(るつぼ)と化し、報復の連鎖はとどまることを知らない。

 資本は今なお飽くなき自己増殖運動を繰り返しながら、新たな市場を求めて世界を蚕食し、ますます巨大化への道を突き進んでいる。
 20世紀70年代に入ると、資本の古典的とも言うべき増殖手法は、利殖家にとっては甚だ迂遠で非効率的と看做され、IT先端技術の発達とも相俟って、手っ取り早くしかも瞬時に、マネーが巨額のマネーを生み出す新たな回路が考案・開発されていく。
 そして今日、いよいよ人間を大地から引き離し、虚構と欺瞞、人間欲望の極限の世界にとことん追い遣る「経済の金融化」とも言うべき新たな恐るべき時代に突入したのである。

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長編連載「いのち輝く共生の大地」の総目次一覧

天文台と北天の星の軌跡trim3(横に細長くトリミング)
天文台と北天の星の軌跡

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
≪総目次一覧≫(2025.5.23再修正版)
(PDF:532KB、A4用紙10枚分)

長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―

≪総目次一覧≫

プロローグ ―身近な過去を振り返り、はるか彼方の「未来」を考える―

夏の銀河(横に細長くトリミング)

(その1)
 意志あるかのように人間どもの隙を突いてきた新型コロナウイルス
 新型コロナウイルスと気候変動の両者を全一体的(ホリスティック)に捉える
 新型コロナウイルスがもたらした社会経済的衝撃、その真相と本質
 突きつけられた近代特有の人間の社会的生存形態「賃金労働者」の脆弱性

(その2)
 迷走する新型コロナウイルス対策
 21世紀未来社会構想の不在、それがもたらす気候変動・パンデミック下の混迷
 “生命系の未来社会論”を探る ―大地と人間の高次再融合
 民衆の新たな生活世界を築く ―わが国の、世界の腐り切った特権的「政治」を乗り超えて
 本長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」の主眼

第一部 生命系の未来社会論、その生成と到達
   ―自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理を基軸に―

青空に刷毛で描いたような白い雲(横に細長くトリミング)

第1章 生命系の未来社会論、その具現化の道「菜園家族」社会構想の問題意識

(その1)
 1.21世紀の今、なぜ近代の人間の社会的生存形態「賃金労働者」を問い直すのか
   迫り来る世界的危機のまっただ中で ―過剰の中の貧困
   いのち削り、心病む、終わりなき市場競争
   今では忘れられた、現代のあまりにも凄惨なある事件から考える
   「8050」問題に凝縮され顕在化した日本社会の積年の矛盾
   近代の落とし子「賃金労働者」は、果たして人間の永遠不変の社会的生存形態なのか

(その2)
 2.生命本位史観に立脚し「家族」と「地域」の再生を探る
   いのちの再生産とモノの再生産の「二つの輪」が重なる家族が消えた
   高度経済成長以前のわが国の暮らし ―かつての森と海を結ぶ流域地域圏(エリア)
   森から平野へ移行する暮らしの場
   歪められ修復不能に陥ったこの国のかたち
   「家族」と「地域」衰退のメカニズム ―干からびた細胞
   再生への鍵 ―「家族」と「地域」を基軸に

(その3)
 3.今こそ近代の思考の枠組み(パラダイム)を転換する ―“生命系の未来社会論”の措定―
   未踏の思考領域に活路を探る
   人間の新たな社会的生存形態「菜園家族」が、21世紀社会のかたちを決める
   自然界の生成・進化を貫く「適応・調整」(=「自己組織化」)の原理と人間社会
   自然法則の現れとしての生命
   自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理と21世紀未来社会

第2章 人間と「家族」、その奇跡の歴史の根源に迫る

   「家族」の評価をめぐる歴史的事情
   人間とは、「家族」とは一体何か
   人間の個体発生の過程に生物進化の壮大なドラマが
   母胎の中につくられた絶妙な「自然」
   他の哺乳動物には見られない、人間に特有な「家族」誕生の契機
   「常態化された早産」、そして「家族」による擁護の道の選択
   「家族」がもつ根源的な意義
   「家族」がヒトを人間にした

第3章 資本の自己増殖運動と飽くなき人間欲望の結末こそ、野獣世界への退化

 1.人間に特有な「道具」の発達が人類史を大きく塗り替えた
 2.「家族」はこれからも人間が人間であるために基底的な役割を果たし続ける
 3.特異な発達を遂げたヒトの脳髄 ―“諸刃の剣”とも言うべきその宿命―
   「道具」の発達と生産力の爆発的な発展 ―ヒトの脳髄、大自然界からの皮肉な贈り物
   ヒト特有の原初的「共感能力」(慈しむ心)が人類の未来に果たす可能性

第二部 生命系の未来社会論の前提
   ―その方法論の革新のために―

古城の上にとまったハト(銅版画調・カラー)

第4章 末期重症の資本主義と機能不全に陥った近代経済学
   ―21世紀未来社会論のさらなる深化のために―

   近代を超えて新たな地平へ
   新古典派から抜け出たケインズ理論
   経済の金融化と新自由主義、マネタリズムの登場
   暴走するマネー経済と疲弊する実体経済、なかんずく地域社会
   近代経済学を超えて、「地域生態学」的理念と方法を基軸に21世紀の未来社会論を

第5章 21世紀、私たちがめざす未来社会 ―その理念と方法論の革新―

 1.19世紀未来社会論の到達点と限界
   近代に先立って現れた民衆の自然権的共産主義の先駆的思想
   人類の歴史は民衆の心に根ざす自然権的思潮の終わりのない「否定の否定」の弁証法
   19世紀に到達したマルクスの未来社会論
   今こそ19世紀未来社会論に代わる、私たち自身の草の根の21世紀未来社会論を

 2.21世紀の未来社会論、そのパラダイムと方法論の革新
   21世紀の今日にふさわしい新たな歴史観の探究を
   21世紀未来社会論の核心に「地域生態学」的理念と方法をしっかり据える
   まさにこの探究のプロセスに社会の根深い矛盾と対立、課題解決の葛藤と光が

第三部 生命系の未来社会論 具現化の道
   ―究極の高次自然社会への過程―

青い海に透ける水底の石(横に細長くトリミング)

第6章 「菜園家族」社会構想の基礎 ―革新的「地域生態学」の理念と方法に基づく―

(その1)
 1.21世紀の「菜園家族」社会構想 ―「地域生態学」的理念とその方法を基軸に―
   生産手段の分離から「再結合」の道へ ―「自然への回帰と止揚(レボリューション)」の歴史思想

 2.「菜園家族」社会構想の理念とその歴史的意義
   CFP複合社会の位置づけとその歴史的意義

 3.週休(2+α)日制の「菜園家族」型ワークシェアリング(但し1≦α≦4)
   人間本来の自由な時間を取り戻す
   男女平等と個性豊かな生き方の実現
    「菜園家族」型ワークシェアリングは次代の画期的な社会保障制度創出の前提条件

 4.世界に類例を見ないCFP複合社会 ―史上はじめての試み―
   CFP複合社会の特質

(その2)
 5.森と海を結ぶ流域地域圏(エリア) ―「菜園家族」を育むゆりかご―
   今こそ地域分散・自然循環型の国土構想を

 6.草の根民主主義熟成の土壌、地域協同組織体「なりわいとも」の形成過程
   ―革新的「地域生態学」的アプローチ―

   地域団粒構造の各レベルに現れる「なりわいとも」(アソシエーション)
   「村なりわいとも」の特質と協同の喜び
   一次元から六次元への多重・重層的地域団粒構造の展開と熟成

第7章 「菜園家族の世界」―記憶に甦る原風景から未来へ―

     甦る大地の記憶
      心ひたす未来への予感

 1.ふるさと ―土の匂い、人の温もり―
 2.家族に甦るものづくりの心、ものづくりの技
 3.土が育むもの ―素朴で強靱にして繊細な心―
 4.家族小経営の歴史性と生命力
   ―CFP複合社会展開の鍵を握るセクターFとその未来―

   家族小経営の発展を阻害する歴史的・社会的要因、反転への新たな条件と可能性
   「労」「農」人格一体融合の「菜園家族」とヒトの原初的「共感能力」(慈しむ心)の再建

第8章 「匠商(しょうしょう)家族」と地方中核都市の形成 ―都市と農村の共進化―

 1.非農業基盤の家族小経営 ―「匠商家族」―
   非農業基盤の家族小経営の事例
   日陰に追い遣られた「匠商家族」と中小・零細企業
   巨大企業優先の国の「地域開発」政策
   自然循環型共生をめざす社会変革にとって「菜園家族」と「匠商家族」は車の両輪

  2.「匠商家族」とその地域協同組織体「なりわいとも」(アソシエーション)
   そもそも「地域」にとって都市とは何か
   「匠商家族のなりわいとも」の形成は歴史の必然である
   「なりわいとも」と森と海を結ぶ流域地域圏(エリア)の中核都市の形成
   コミュニティ・バンクの創設とその意義
   地産地消の確立と新たな物流・交通システムの整備

  3.「なりわいとも」の歴史的性格とその意義
   前近代の基盤の上に築く新たな「協同の思想」

第四部 民衆主導の具体的政策
   ―「いのち輝く共生の大地」をめざして―

ひまわり畑(横に細長くトリミング)

第9章 「菜園家族」社会構想の現実世界への具体的アプローチ ―実現可能性を探る―

 1.地域再生の究極の鍵
   まずは、農村・農業の現実を直視することから
    “菜園家族群落”による日本型農業の再生 ―高次の「労」「農」連携への道
   農地とワークの一体的シェアリング ―公的「農地バンク」、その果たす役割
   地方自治体の果たす役割と真の住民自治

 2.21世紀における草の根の変革主体の構築
   労働組合運動の驚くべき衰退、そこから見えてくるもの
   21世紀の労働運動と私たち自身のライフスタイル
    ―「労」「農」人格一体融合の「菜園家族」の新しい風を
   「菜園家族」型ワークシェアリングと21世紀労働運動の革新
   多彩で自由な人間活動の「土づくり」―国民的運動を社会の土台から支える力
   草の根の英知の結集、そして切磋琢磨こそが新たな時代を切り拓く

第10章 気候変動とパンデミックの時代を生きる
 ―避けては通れない社会システムの根源的大転換―

 ――CO排出量削減の営為が即、古い社会(資本主義)自体の胎内で
   次代の新しい芽(「菜園家族」)の創出・育成へと自動的に連動する
   CSSK社会メカニズムの提起――

(その1)
 1.気候変動とパンデミック、そしてウクライナ戦争は、果たして人間社会の進化にとってまことの試練となり得るのか

   世界各地では若者の新しい息吹が、それに引き換えわが国は
   倒錯した偽りの「民主主義」に対峙して、自らの草の根の思索と行動の力量を高める
   21世紀未来社会論の確立こそ、今日の混迷と閉塞の突破口

 2.まずは、今日までに到達した気候変動に関する世界の科学的知見から
   このままでは、なぜ2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロが不可能なのか

 3.今日の地球温暖化対策の限界といよいよ避けては通れない社会システムの根源的大転換
   「経済成長」と「エコ」とのジレンマ
   GX(グリーン・トランスフォーメーション)の陥穽

 4.国際的目標2050年カーボンニュートラル実現完遂への具体的提案
   ―CO排出量削減と社会システムの根源的変革、両者不可分一体のもとに―

   「労」「農」人格一体融合の抗市場免疫に優れた社会的生存形態「菜園家族」の創出は、
    地球温暖化を食い止める究極の鍵
   原発のない脱炭素の自然循環型共生社会(FP複合社会)へ導く究極のCSSKメカニズム
   CSSKメカニズムのもと、CFP複合社会への移行と進展を促す

(その2)
 5.CSSK特定財源による彩り豊かな国土と民衆の生活世界の再建
   CSSK特定財源による人間本位の新たなる公共的事業と地域再生
   地域分散・地域自律型の国土利用と民衆の創意性の発揚

 6.CSSKメカニズムに秘められた近代超克の意外にも高次のポテンシャル
   今日の混迷と閉塞打開の唯一残された道

 7.パンデミックによって露わになったこの国社会の構造的矛盾
   新型コロナウイルスがもたらした社会経済的衝撃、その真相と本質
   パンデミックが浮き彫りにした近代特有の賃金労働者の脆弱性と非人道性

 8.CSSKメカニズムの円滑かつ着実な駆動が21世紀の新しい時代を創る

 9 21世紀、広範な国民運動の新たな土台となる「菜園家族」自然(じねん)ネットワーク
   明けぬ闇夜はない

第11章 「菜園家族」の台頭と資本の自然遡行的分散過程
 ―新たな科学技術体系の生成・進化の可能性―

 1.資本の自己増殖運動と麻痺する原初的「共感能力」(慈しむ心)
   ―人間欲望の際限なき拡大と科学技術の暴走―

   資本の自己増殖運動と科学技術
   資本の従属的地位に転落した科学技術がもたらしたもの
    ―人間の「共感能力」(慈しむ心)の衰退
   需給のコマを絶えず回転させなければ成立しない資本主義の宿命
   経済成長至上主義の破綻 ―GDPの内実を問う
   社会的「共感能力」(慈しむ心)の衰退がもたらす究極の結末

 2.ヒトの原初的「共感能力」(慈しむ心)の復権と新たな時代の可能性
   ―「地域」に築く抗市場免疫のライフスタイル―

   「菜園家族」の創出と資本の自然遡行的分散過程
   C、F、P各セクター間の相互作用の展開過程と異次元の科学技術体系生成の可能性
   異次元の新たな科学技術体系の生成・進化と未来社会 ―自然循環型共生社会
   人間の「共感能力」(慈しむ心)の復権と21世紀の新たな民衆連帯

第12章 「菜園家族」を土台に築く近代超克の先進福祉大国
 ―高次の新たな社会保障制度の探究―

(その1)
 1.原理レベルから考える「自助、共助、公助」
 2.「家族」に固有の機能の喪失とこの国破綻の根源的原因
 3.「家族」に固有の「福祉機能」の復活と「菜園家族」を土台に築く高次社会保障制度

(その2)
 4.近代超克の円熟した先進福祉大国への可能性

 5.円熟した先進福祉大国をめざす民衆主体の新たな国民的運動形成の素地
   「家族」と「地域」の再生は、果たして不可能なのか
   「家族」と「地域」の再生をゆるやかな変化の中で捉える ―諦念から希望へ

 6.「お任せ民主主義」を排し、何よりも自らの主体性の確立を
   ―そこにこそまことの生きる喜びがある―
   身近な郷土の「点検・調査・立案」から“21世紀の未来”が見えてくる

第13章 「菜園家族的平和主義」の構築
 ―いのちの思想を現実の世界へ―

(その1)
   “原爆を許すまじ”
    ― 日本と世界のすべての人々に
     考え、行動する勇気を与えつづけた歌 ―

 1.いのち軽視、いのち侮辱の「戦争俗論」の跳梁跋扈を憂える
   ―卑劣な企み「マッチポンプ」の繰り返し―

   憎しみと暴力の坩堝(るつぼ)と化した世界 ―世界の構造的不条理への反旗
   対米従属路線にしがみつき、なおも自己の延命を企むわが国の権力支配層
   日本国憲法の平和主義、その具現化の確かな道を求めて
    ―「菜園家族的平和主義」の構築

 2.今、断罪されるべきは、権力的為政者の姑息な解釈改憲による長きにわたる既成事実の積み重ねそのものである

   アベノミクス主導の解釈改憲強行の歴史的暴挙
   あらためて日本国憲法を素直に読みたい
   欺瞞のアベノミクス「積極的平和主義」の内実たるや
    「自衛」の名の下に戦った沖縄戦の結末は

(その2)
 3.非同盟・中立の自然循環型共生の暮らしと平和の国づくり
   日本国憲法第九条の精神を生かす新たな提案 ~包括的で豊かな郷土づくり
    ―自衛隊の戦力なき「防災隊」(仮称)への発展的解消
   消滅の危機に立たされている農山村の伝統的消防団
   非戦・平和構築の千里の道も一歩から
   非戦・平和の運動に大地に根ざした新しい風を

(その3)
 4.戦争の本質は国家権力による民衆同士の殺し合いである
   ―どんな理由があろうとも、戦争は人間冒涜の究極の大罪―

   混迷の21世紀世界
   『イワンのばか』、直耕に込められたトルストイの深い思想
   今こそ民衆の創意と連帯による21世紀の未来社会を
   軍国大増税の岐路に立つ日本 ―腐り切ったわが国の政治

(その4)
 5.東アジア地域世界に宿命的に集中胚胎するグローバル危機の震源
   あまりにも片寄った情報の氾濫の中で考える ―朝鮮半島情勢をめぐって
   核兵器禁止条約発効と世界各国民衆の連帯
   権力的為政者同士の「外交」への幻想を捨て、逆流に抗し、民衆自身の主体性の確立を
   戦後80年、もう一度初心にかえり世界の人々に呼びかけよう
   覇権主義を排し、日本国憲法の理念に根ざす小国主義の道を

エピローグ ―高次自然社会への道―
 ~19世紀未来社会論のアウフヘーベン
  その展開のメカニズムと世界史的意義~

プレアデス星団・すばる(横に細長くトリミング)

(その1)
 1.CFP複合社会から自然循環型共生社会(FP複合社会)を経て高次自然社会へ  
  1)CFP複合社会の展開過程とその特質
    肉体労働と精神労働の分離を排し、労働を芸術に高める

  2)未来社会を身近に引き寄せる「セクターC、F、P相互の対立と依存の展開過程」

  3)形骸化した民主主義の現状と「生産手段との再結合」

  4)より高次のFP複合社会における生産手段の所有形態をめぐって
   克服したい研究姿勢の弱点

 2.人類史を貫く「否定の否定」の弁証法
   大自然界の生成・進化を律する「適応・調整」の原理(=「自己組織化」)を
    21世紀未来社会論の基軸にしっかり据える
   自然への回帰と止揚(レボリューション)、これこそが民衆の本源的な歴史思想である
   自然観と社会観の分離を排し、両者合一の思想を社会変革のすべての基礎におく

 3.混迷の時代だからこそ見失ってはならない未来社会への展望
   ―避けては通れない近代(資本主義の時代)の桎梏からの解放
   21世紀未来社会論の核心 ―自然との再融合、原初的「共感能力」(慈しむ心)の再建

(その2)
 4.夜明けを告げる伝統と革新の「東アジア世界」
   ――今やわが国のみならず、東アジアの民衆にとって
     自己の主体性の確立は、避けられない共通の急務となっている――

    現代中国の女性作家・梁鴻(リアン・ホン)の作品が投げかけるもの

  1)東アジアの民衆にとって決して避けては通れない共通の課題
    思考の根源的転換に立てないわが国民の限界、その反映としての「政治」的腐敗の進行
    先進工業国および超大国の「拡大経済」下で苦しむ世界各地の民衆
    欲望むき出しの多元的覇権抗争に対峙する、東アジア民衆のまことの連帯とその生活世界

  2)日本国憲法のもとではじめて甦る「未発の可能性」としての小国主義
    私たちは今、何からはじめ何を成すべきか

  3)世界に誇る日本国憲法の理念こそ、東アジア民衆連帯の要(かなめ)

 5.夜明けの歌

長編連載
「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」の総括にかえて

  ◆長編連載の核心的根幹◆

 ― 長編連載の≪総括にかえて≫ ―
  近代(資本主義の時代)を超克する高次国民運動への根源的転換に向けて

ポピーの花畑(横に細長くトリミング)

(1)民衆の生活世界を自らの足元から築く
   ―腐り切ったわが国の「政治」を乗り越えて―

(2)21世紀こそ草の根の変革主体の構築を
   ―まことの民主主義の復権と「地域」と「労働」の再生―

   「お任せ民主主義」を社会の根っこから問い直す
   身近な語らいの場から、未来への瑞々しい構想力が漲(みなぎ)

(3)労働組合運動の驚くべき衰退、そこから見えてくるもの

(4)21世紀の労働運動と私たち自身のライフスタイル ―「菜園家族」の新しい風を―

(5)「菜園家族」型ワークシェアリングと21世紀労働運動の革新

(6)多彩で自由な人間活動の「土づくり」
   ―次代への長期展望に立った国民的運動への根源的大転換に向けて―

(7)「お任せ民主主義」を排し、何よりも自らの主体性の確立を
   ―そこにこそ人間としてのまことの生きる喜びがある―

(8)身近な郷土の「点検・調査・立案」の連続らせん円環運動から“21世紀の未来”が見えてくる

――― ◇ ◇ ―――

2024年7月26日 初回掲載
2024年8月24日 一部修正
2025年5月23日 一部再修正

里山研究庵Nomad
小貫雅男・伊藤恵子

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新・長編連載のお知らせ

≪新・長編連載のお知らせ≫

 若干の準備期間をおいた後、本年8月2日(金)(予定)より、「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―(仮題)と題して、新・長編連載を開始します。
 どうぞ引き続きご覧ください。

青空に白い雲(横長)

新・長編連載の主旨

米中露「三超大国」を基軸に
先進資本主義諸国入り乱れての
醜い多元的覇権抗争の時代。

  国民主権を僭称する
  一握りの政治権力者は
  分断と対立と憎しみを煽り
  民衆同士の凄惨な殺し合いを強制する。

今や世界は生命を蔑ろにして恥じない
倫理敗北の時代に突入している。

  今こそ
  自然観と社会観の分離を排し
  大自然界の生成・進化を貫く
  「適応・調整」(=「自己組織化」)の原理を
  両者統一の普遍的原理に止揚し
  社会変革のすべての基礎におく。

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