
長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第1章(その1)
長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―
第一部 生命系の未来社会論、その生成と到達
―自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理を基軸に―
第1章
生命系の未来社会論、その具現化の道「菜園家族」社会構想の問題意識
(その1)
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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第1章(その1)
(PDF:683KB、A4用紙11枚分)
1.21世紀の今、なぜ近代の人間の社会的生存形態「賃金労働者」を問い直すのか
迫り来る世界的危機のまっただ中で ―過剰の中の貧困
投機マネーに翻弄(ほんろう)される世界経済。新型コロナウイルス・パンデミックのさなかにあっても、一握りの巨大金融資本、巨大企業、富裕層にますます莫大な富が集積する一方で、まともな医療さえ受けられず、路頭に迷う圧倒的多数の民衆。
それでもこの機に乗じて、DX(デジタル・トランスフォーメーション)なるものによる新たな成長への幻想を演出しつつ、これまで急速に拡大させてきたにわか仕込みの観光産業※1 と、とどの詰まりはその背後にある巨大金融資本救出のための「Go To トラベル」だの、「Go To イート」だのと、感染拡大防止とは真逆の愚策に1兆数千億円もの国民の血税を注ぎ込む。ここに至ってもなお「浪費が美徳」の経済を煽(あお)る姿に、やるせない思いがつのる。
果てには岸田自民党政権の軍拡大増税に至っては、狂気の沙汰である。ついに、かつての軍国日本の道に一歩踏み込んでしまった。オオタニサン!!などと浮かれている場合ではないのである。
一方、容赦なく迫りくる地球温暖化による異常気象と、世界的規模での食料危機。国内農業を切り捨て、農山村を荒廃させ、食料自給率過去最低の37パーセント(2018年度)に陥った日本。2024年のこの夏には、小売店の店頭で米の品切れが現実に起こりうるのだということを、多くの国民が一瞬ではあるが実感することとなった。
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