『菜園家族の思想』の書評をいただきました(評者:藤井満さん)

藤井満さん(朝日新聞紀南支局記者)から、拙著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(かもがわ出版、2016年10月刊)の評が届きました。当研究庵宛てのお便りとともに、以下に転載させていただきます。

小貫先生、伊藤さま
 ようやく読み終えました。
 細胞レベルの生物学からマルクス主義、クルーグマンまで、構想の大きさと幅広さにくらくらします。
 大阪都構想や「地方創生」の「上から目線」は本当にまずいですね。
 それに対抗する草の根民主主義が弱体化していることに危機感を覚えます。
 もしかしたら「菜園家族」は、民主主義再生の構想なのではないか、と思いながら読みました。
 戦後の日本人では森嶋通夫が、ウェーバーの理論をもとに「大きな理論」を描いていましたが、小貫先生と伊藤さんの構想は、GDP信仰を越えるという意味で、新しい地平を切り拓いているんですね。
 友人でつくっている本紹介のメーリングリストに書いたものを下に貼り付けておきます。
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新著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(かもがわ出版)が刊行されました!

 このたび新著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版、四六判384頁、2016年10月)が刊行されました。ぜひご一読ください。

表紙『菜園家族の思想―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子、かもがわ出版、2016年)

(帯付き)

 

 

 

 

『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―
(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版
四六判384頁、2016年10月31日発行、
定価:本体2,500円+税)

 

 

飽くなき欲望の巨大怪物、グローバル市場に対峙し
今こそ、近代超克の大地への回帰と止揚を

抗市場免疫の「菜園家族」型ワークシェアリングによる
もともとあったはずの自由な時間の回復と
素朴で、精神性豊かなライフスタイルの創造。

憎しみと暴力の連鎖に代えて、寛容と共生の思想を暮らしの根っこから。

                       ~帯(表)のキャッチフレーズより~

「菜園家族」の未来構想の根底には、
人々の心に脈々と受け継がれてきた
大地への回帰と止揚という
民衆の揺るぎない歴史思想の水脈が息づいている。

まさにこの民衆思想が
21世紀未来社会論の新たな局面を切り拓く。

               ~帯(裏)のキャッチフレーズより~

 「菜園家族」の真髄は、燦々と降りそそぐ太陽のもと大地を耕し、雨の恵みを受けて作物を育て、その成長を慈しむことにある。天体の運行にあわせ、自然のゆったりとした循環の中に身をゆだね、子供たちも、大人たちも、年老いた祖父母たちも、ともに助け合い、分かち合い、仲良く笑顔で暮らす。それ以外の何ものでもない。
 人と競い、争い、果てには他国への憎しみを駆り立てられ、殺し合う。そんな戦争とは、「菜園家族」はもともと無縁である。残酷非道な、それこそ無駄と浪費の最たる前世紀の遺物「人を殺す道具」とは、無縁なのである。「菜園家族」は、世界に先駆けて自らの手で戦争を永遠に放棄し、自らも大いなる自然に溶け込むように、平和に暮らすよすがを築いていくにちがいない。
                           ~「むすびにかえて」より抜粋~

資本主義固有の不確実性と投機性が露わになった今
大地から引き離され、根なし草同然となった近代の人間の生存形態
賃金労働者を根源的に問い直す。
 強欲、冷酷無惨なグローバル市場に対峙し
 近代を超克する抗市場免疫の新たな「菜園家族」を基礎に
 素朴で、精神性豊かな自然(じねん)世界への壮大な回帰と止揚の道を切り拓く。

21世紀、この基本方向をどう実現していくのか。
本書はその具体的な道筋と手立てを提示する。

                        ~カバー折返しの要旨紹介より~

帯なし表紙『菜園家族の思想―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子、かもがわ出版、2016年)

(帯をはずすと)

 

 

 

 

『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―
(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版
四六判384頁、2016年10月31日発行、
定価:本体2,500円+税)

 

― 目 次 ―

はしがき  (1)

序章 憎しみと暴力のるつぼと化した世界、そこから立ち上がる新たな理念  (25)

1 世界の構造的不条理への反旗 (25)
― 今問われているのは私たちのライフスタイルそのもの ―
資本主義が陥った末期的症状
あらためてアルジェリア人質事件を思い起こす

2 東日本大震災から希望の明日へ  (29)
あのときの衝撃を一時の「自粛」に終わらせてはならない
「原発安全神話」の上に築かれた危うい国
財界の意を汲む復興構想の末路
21世紀未来像の欠如と地域再生の混迷 ― 上からの「政策」を許す土壌
新たな21世紀の未来社会論を求めて

第一章 21世紀未来構想の問題意識、求められるその方法論の革新  (45)

1 末期重症の資本主義と機能不全に陥った近代経済学  (46)
― 21世紀未来社会論のさらなる深化のために ―
近代を超えて遥かな地平へ
新古典派から抜け出たケインズ理論
経済の金融化と新自由主義、マネタリズムの登場
暴走するマネー経済と疲弊する現実社会
近代経済学を超えて、草の根の21世紀未来社会論を

2 19世紀未来社会論の到達点と限界  (59)
人類の歴史を貫く民衆の根源的思想
19世紀に到達したマルクスの未来社会論
19世紀未来社会論に代わる私たち自身の21世紀未来社会論を

3 21世紀未来社会論、その方法論の革新  (68)
21世紀の今日にふさわしい新たな歴史観の探究を
未来社会論の基底に革新的地域研究としての「地域生態学」を据える
― 21世紀社会構想の変革のために

第二章 私たちは何とも不思議な時代の不思議の国に生きている  (75)
― いのち削り、心病む終わりなき市場競争 ―

1 今なぜ近代の人間の社会的生存形態「賃金労働者」を問い直すのか  (77)

2 生命本位史観に立脚し「家族」と「地域」の再生を探る  (83)
いのちの再生産とモノの再生産の「二つの輪」が重なる家族が消えた
高度経済成長以前のわが国の暮らし ― かつての森と海を結ぶ流域地域圏
森から平野へ移行する暮らしの場
歪められ修復不能に陥ったこの国のかたち
「家族」と「地域」衰退のメカニズム ― 干からびた細胞
再生への鍵 ―「家族」と「地域」を基軸に

第三章 人間はなるべくして人間になった ― その奇跡の歴史の根源に迫る ―  (93)

人間とは、「家族」とは一体何か
「家族」の評価をめぐる歴史的事情
人間の個体発生の過程に生物進化の壮大なドラマが
母胎の中につくられた絶妙な「自然」
人間に特有な「家族」誕生の契機
「家族」がもつ根源的な意義
人間が人間であるために

第四章 「菜園家族」構想とその基礎  (111)
― 21世紀の「地域生態学」的未来社会論 ―

生産手段の分離から「再結合」の道へ ―「自然への回帰と止揚」の歴史思想
「菜園家族」構想の理念とその歴史的意義
週休(2+α)日制のワークシェアリングによる三世代「菜園家族」構想
世界に類例を見ないCFP複合社会 ― 史上はじめての試み
CFP複合社会の特質
甦るものづくりの心、ものづくりの技
土が育むもの ― 素朴で強靱にして繊細な心
家族小経営の歴史性と生命力

第五章 「菜園家族」構想の現実世界への具体的適用とその展開  (143)
― 実現可能性を探る ―

日本の農村・農業の現実 ― 反転、そして再生へ
“菜園家族群落”による日本型農業の再生 ― 高度な労農連携への道
農地とワークの一体的シェアリング ― 公的「農地バンク」、その果たす役割
草の根民主主義熟成の土壌 ― 森と海を結ぶ流域地域圏の再生

第六章 「匠商家族」と地方中核都市の形成  (165)

非農業基盤の家族小経営 ―「匠商家族」
「匠商家族」とその協同組織「なりわいとも」
「なりわいとも」と森と海を結ぶ流域地域圏の中核都市
「なりわいとも」の歴史的意義
前近代の基盤の上に築く新たな「協同の思想」

第七章 高度経済成長の延長線上に現れた3・11の惨禍  (183)

高度経済成長が地域にもたらしたもの
今日の歪められた国土構造を誘引し決定づけた『日本列島改造論』
『日本列島改造論』の地球版再現は許されない
今こそ「成長神話」の呪縛からの脱却を

第八章 「菜園家族」の台頭と資本の自然遡行的分散過程  (201)

資本の自己増殖運動と科学技術
資本の従属的地位に転落した科学技術、それがもたらしたもの
GDPの内実を問う ― 経済成長至上主義への疑問
資本の自然遡行的分散過程と「菜園家族」の創出
新たな科学技術体系の生成・進化と未来社会

第九章 自然循環型共生社会への現実的アプローチ  (217)
― 四つの具体的提案を基軸に考える ―

21世紀こそ草の根の変革主体の構築を ―「お任せ民主主義」の限界と破綻

その1 原発のない低炭素社会への道、その究極のメカニズム  (220)
「菜園家族」の創出は、地球温暖化を食い止める究極の鍵
原発のない低炭素社会へ導く究極のメカニズム ― CSSK方式
CFP複合社会への移行を促すCSSKメカニズム
CSSK特定財源による人間本位の新たなる公共的事業
本物の自然循環型共生社会をめざして

その2 今こそ地域社会の本格的な実態把握を ― 新たなる未来の明日のために  (230)
アベノミクスの「地方創生」は積年の悪弊の延長にすぎない
一つの具体的「地域」典型から、今何をなすべきかを考える
市町村における地域再生の本当の鍵は、農業・農村問題の解決である
地域社会には、今こそ精密検査による根本的な原因療法がもとめられている
本物の民主主義の復権と地域の再生

その3 「菜園家族」じねんネットワーク(SJnet)の構築、その多彩で豊かな展開  (241)
自然(じねん)の原理によって生まれ育つSJnet
SJnetの活動とその原理 ― 自主、自発の原則
労働組合運動の驚くべき衰退、そこから見えてくるもの
21世紀の労働運動と私たち自身のライフスタイル ―「菜園家族」の新しい風を
多彩で自由な人間の活動 ― 底から支える力

その4 「菜園家族」じねんシンクタンク(SJTT)創設の意義  (250)
SJnetを土台に築く草の根のシンクタンク
草の根の叡知の結集こそが新たな時代を切り拓く

第十章 「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国  (253)
― 近代を超克する社会保障制度を探る ―

原理レベルから考える「自助、共助、公助」
「家族」に固有の機能の喪失とこの国破綻の根源的原因
スモール・イズ・ビューティフル ― 巨大化の道に抗して
「家族」に固有の福祉機能の復活と高次社会保障制度
「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国への可能性
近代を超克する円熟した先進福祉大国をめざす新たな国民運動の形成
「家族」と「地域」の再生は不可能なのか
「家族」と「地域」の再生をゆるやかな変化の中で捉える ― 諦念から希望へ
「お任せ民主主義」を排し、何よりもまず自らの主体性の確立を
― そこにこそ生きる喜びがある

第十一章 近代を超克する「菜園家族」的平和主義の構築  (281)
― いのちの思想を現実の世界へ ―

日本国憲法の平和主義、その具現化の確かな道を求めて
アベノミクス主導の解釈改憲強行の歴史的暴挙
あらためて日本国憲法を素直に読みたい
アベノミクス「積極的平和主義」の内実たるや
「自衛」の名の下に戦った沖縄戦の結末は
「巨大国家の暴力」と「弱者の暴力」との連鎖をどう断ち切るか
憲法第九条の精神を生かす新たな提案 ― 自衛隊の「防災隊」(仮称)への発展的解消
非戦・平和構築の千里の道も一歩から
非戦・平和の運動に大地に根ざした新しい風を
戦後70年、もう一度初心にかえり世界の人々に呼びかけよう

第十二章 今こそ近代のパラダイムを転換する  (301)
― 生命本位史観に立脚した21世紀未来社会論 ―

未踏の思考領域に活路を探る
人間の新たな社会的生存形態が、21世紀社会のかたちを決める
自然界を貫く「適応・調整」の普遍的原理
自然法則の現れとしての生命
自然界の普遍的原理と21世紀未来社会
CFP複合社会を経て高次自然社会へ ― 労働を芸術に高める
未来社会を身近に引き寄せる「セクターC、F、Pの対立と依存の展開過程」
形骸化した民主主義の現状と「生産手段の再結合」
より高次のFP複合社会における生産手段の所有形態をめぐって
ここで確認しておきたいいくつかの要諦

むすびにかえて ― 自然(じねん)の思想を現実の世界へ ―  (331)

人間社会の生成・進化を律する原理を自然界の「適応・調整」の普遍的原理に戻す
自然への回帰と止揚、これこそが人間の本源的な歴史思想である
自然観と社会観の分離を排し、両者合一の思想をすべての基礎におく
混迷の時代だからこそ見失ってはならない未来社会への展望、そしてゆるぎない確信
日本国憲法のもとではじめて甦る「未発の可能性」としての小国主義

あとがき ―「世界でいちばん貧しい大統領」ホセ・ムヒカさんの思想との交歓 ― (347)

引用・参考文献一覧 (362)

著者からのメッセージ
 東日本大震災の未曾有の事態に直面し、歴史の大きな転換期にあるにもかかわらず、旧態依然たる上から目線の政策が次々と押しつけられ、後退に後退を余儀なくされているのが現状です。「地域」や「労働」の現場に生きる人々の立場に立った、かつ21世紀日本のめざすべき方向を見据えた包括的な研究と実践、それに基づく未来構想とそこに至る具体的な道筋の探究が、今ほどもとめられている時もありません。
 一方、世界に目を転ずるならば、米ソ二大対立の終焉は多元的覇権抗争の「新大国主義時代」とも言うべき新たな局面を招来し、グローバル市場化はさらなる熾烈を極めています。各地の民衆の生活基盤は揺らぎ、人々の不満と怒りの鬱積は頂点に達し、憎悪と暴力の連鎖はとどまることを知りません。今や世界は、自己制御不能の危機的状況にすら陥っていると言えるでしょう。
 私たちはどのような未来をめざすべきなのか、人類史の長いスパンの中で18世紀イギリス産業革命以来の近代を、自然と人間、人間と人間との関係からあらためて深く問い直す時に来ているのではないでしょうか。
 戦後70年、重大な岐路に立たされている今こそ、どこかで誰かによっていつの間にか自らの運命が決められてしまう「お任せ民主主義」を克服し、自らの頭で自らのすすむべき道を選び、主体的に考え行動する、そんな主権在民のあるべき姿を取り戻したい・・・。
 こうした思いから、本書をまとめました。
 憎しみと対立の連鎖が拡大の一途を辿る今日の世界にあって、この小著が近代を超克する新たな視点から、寛容と共生の21世紀社会の枠組みを探るささやかな一助になればと願っています。

2016年10月
里山研究庵Nomad
小貫雅男・伊藤恵子

★ 本書へのご感想・ご意見などを、お手紙やメールで里山研究庵Nomadまでお寄せ下さい。
お待ちしています!

それでも耳を澄ませば、新時代の鼓動が聞こえてくる ― 時代逆行の暗雲の下で ―

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
それでも耳を澄ませば、新時代の鼓動が聞こえてくる― 時代逆行の暗雲の下で ―
(2015年10月10日付、PDF:165KB、A4用紙6枚分)

それでも耳を澄ませば、新時代の鼓動が聞こえてくる

― 時代逆行の暗雲の下で ―

小貫 雅男
伊藤 恵子

「戦争法案」なるものを
安倍首相は
「国民の命と平和な暮らしを守り抜くため」だと称して
平然と黒を白と言いくるめ
見え透いた嘘で国民を騙す

嘘も百回繰り返せば真実になる
と豪語した独裁者がいたが
わが国の首相の口から
舌先でぺらぺらと言いくるめるあの虚しいフレーズを
この間、国民は何度繰り返し聞かされただろうか

揚げ句の果てに、安倍政権は9月19日未明
前代未聞のこの悪法を強行成立させた
これはまさしく数の暴力による
主権簒奪の
クーデターというほかないものであった

しかし、本当の試練は
これからはじまるのだ
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終わりのはじまり ― 主権簒奪、独裁欺瞞の政治 ―

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
終わりのはじまり―主権簒奪、独裁欺瞞の政治―
(2015年9月19日付、PDF:133KB、A4用紙5枚分)

終わりのはじまり

― 主権簒奪、独裁欺瞞の政治 ―

小貫 雅男
伊藤 恵子

2015年9月19日未明、国民の切実な声に耳を貸そうともせず、安倍政権は数の暴力によって、ついに憲法違反の「戦争法案」を参院本会議で強行採決した。
これは、まさに歴史にクーデターの汚点を残す暴挙であり、戦後民主主義の根幹をゆるがす一大転換である。
私たちは今、かつての全体主義、軍国主義国家への逆行の道を辿る極めて重大な岐路に立たされている。
政治にあまりにも嘘が多すぎる。その醜さに、子供たちまでもが首をかしげ、怒るほどだ。なぜこれほどまでに政治が落ちぶれたのか。それは、政治家個々人の資質の問題として解消できるものではない。戦後長きにわたる経済成長偏重のわが国社会の病理の根深さに起因するものであり、この病を治癒しない限り、もはやこの社会は、どうにもならないところにまで来ている。
日本国憲法前文が高らかに謳った主権在民の人類普遍の原理。この原理を真っ向から否定する安倍政権。主権簒奪の欺瞞のこの独裁政治。これに対峙する、反転への民衆の本物のたたかいは、これからはじまるのだ。

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<呼びかけ>主権者たる国民の覚悟 ―「戦争法案」衆院強行採決の日に ―

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
主権者たる国民の覚悟 ―「戦争法案」衆院強行採決の日に―
(2015年7月16日付、PDF:185KB、A4用紙3枚分)

<呼びかけ>

主権者たる国民の覚悟

―「戦争法案」衆院強行採決の日に ―

小貫 雅男
伊藤 恵子

強行採決しても
「いずれ国民は忘れる」
人を見下す
この国の政治

安倍政権のこの思い上がりを
主権者たる国民は決して忘れない

国民の異論に耳を傾けようともせず、疑問に答えることなく、2015年7月16日安倍政権は、「安全保障関連11法案」を一つに束ねて、一気に衆院本会議にて強行採決した。
国際舞台では、厚かましくも「自由と民主主義の価値観を共有するパートナー」などと嘯き、嘘と欺瞞に充ち満ちた実にこざかしい手口を弄して、ファッショ的暴挙を敢行したのである。
民意を無視し、説明責任を回避し、根拠のないまま、国民の命運を分ける重大問題を勝手に決める。それは、土壇場になって真相が露呈した2020年東京オリンピックの新国立競技場問題にしても、国民の声を踏みにじる原発関連行政やTPP問題、さらには強権をもってごり押しする沖縄の辺野古米軍新基地建設問題にも通底する特徴だ。
であるからこそなおのこと、「陸海空軍その他の戦力」の不保持を明確に規定したはずの憲法第9条に違反し、歴代権力が戦後一貫して国民を欺き、実に巧妙に積み重ねてきた既成事実に馴らされることは、もはや許されないのである。
私たちは、日本国憲法第9条を今一度、愚直なまでに誠実に読み返そうではないか。初心に立ち返り、戦争の問題、生と死の問題、そして誠実に生きるとは何かを、根源的にとことん考えぬこうではないか。

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「宇宙と平和・国際セミナー@京都」のご案内

立命館大学経済学部の講義「平和の経済学」を共同で担当させていただいている藤岡 惇先生(同大学経済学部特任教授)から、2015年7月末~8月初めにかけて開催される「宇宙と平和・国際セミナー@京都」のご案内が届きましたので、概要をご紹介します。
このセミナーは、23年前から宇宙の軍事化と宇宙戦争に警鐘を鳴らしてきた国際的な市民組織「兵器と核エネルギーの宇宙配備を許さない地球ネットワーク」(1992年、アメリカで設立)の年次大会が、今年初めて日本(京都)で開催されるにあたって企画されたものです。

宇宙と平和・国際セミナー@京都

宇宙戦争も核戦争もNO!
―「ミサイル防衛」・「集団的自衛権」の真実を探る ―

★主なプログラム:
京都セミナー1 「ミサイル防衛」の真相 ―「宇宙でも戦争する国」日本へ?
と き:2015年730日(木)13時~17時
ところ:同志社大学(今出川校地烏丸キャンパス)志高館112教室
京都セミナー2 宇宙規模で構築中の米国戦争システムの全貌を探る
と き:2015年81日(土)9時30分~12時50分
ところ:立命館大学(衣笠キャンパス)敬学館210教室・227教室
京都セミナー3 宇宙戦争も核戦争もない平和な地球を築こう
と き:2015年81日(土)14時~17時30分
ところ:立命館大学(衣笠キャンパス)敬学館210教室

参加費(資料代・通訳費):各セミナーとも1,000円。学生は半額。
各セミナーの詳細・最新情報、参加のお申し込み方法は、
http://space-peace-kyoto.blogspot.jp/ をご覧ください。

★主催:「宇宙と平和・国際セミナー@京都」実行委員会

セミナー実行委員会代表の藤岡 惇先生からのメッセージ
今年の1月に安倍内閣は、まともな国会の議論もなしで「第3次宇宙基本計画」を決定し、「宇宙でも戦争する国」へと日本を変える試みが本格化しました。米国の宇宙戦争計画に全面参戦する国づくりが始まったのです。
このような時、世界10か国(アメリカ・イギリス・ドイツ・チェコ・スウェーデン・ノルウェイ・イタリア・カナダ・インド・ネパール・韓国など)から約30名の宇宙戦争の専門家、市民活動家が京都に集うことになります。
現在進んでいる「集団的自衛権」を容認するための解釈改憲、経ヶ岬(京都府北部の丹後半島最北端)におけるミサイル防衛基地建設問題を宇宙的視野から深く考えるための絶好の機会です。
このセミナーは、市民開放のプログラムです。通訳の態勢も整えて、広く市民のみなさまのご参加をお待ちしています。

(文責:伊藤恵子)

「菜園家族」基調の「自然(じねん)社会」への展望 ~寄せられた幾つかの疑問に答える形で~

これまで「菜園家族」構想について、さまざまなご意見をお寄せいただいてきました。中でも、「従来の社会主義理論との違いは何か」、あるいは「社会主義の道ではだめなのか」といった疑問を持つ方もおられるようです。
そこでこれを機会に、この「構想」がめざす「自然(じねん)社会」、すなわち抗市場免疫の「菜園家族」を基調とする自律的な自然循環型共生社会への展望を、再度確認する形でお答えできればと、このたび小文 資本主義の超克は不可能なのか「菜園家族」基調の「自然社会」への展望 ―寄せられた幾つかの疑問に答える形で―(小貫雅男・伊藤恵子)をまとめました。
今、国民を置き去りに強引に進められているアベノミクスの「積極的平和主義」と、その本質を体現する「戦争法案」。戦後70年の節目にあたって、こうした企みを葬り去るためにも、未来社会のあり方、つまり近代の超克をめぐる地道な議論を通じて、「地域」の再生と非戦・平和構築の動きが、草の根から新たなうねりとなって高まっていくことを願っています。
ぜひご一読ください。

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
「菜園家族」基調の「自然社会」への展望 ―資本主義の超克は不可能なのか―
(2015年5月21日付、PDF:390KB、A4用紙8枚分)

この小文の構成は下記の通りです。

目 次
はじめに ―この国を衰退へと追い遣った根源的な原因
「菜園家族」構想の基本となる考え
希望的観測と現実とのはざまで
未来社会を身近に引き寄せる「セクターC、F、Pの対立と依存の展開過程」
形骸化した民主主義の現状と「生産手段の再結合」
より高次のFP複合社会における生産手段の所有形態をめぐって
むすびにかえて ―本物の民主主義の復権と地域の再生

当ホームページに掲載中の小文「菜園家族」的平和主義の構築 ―憎悪と暴力の連鎖をどう断ち切るか―(小貫・伊藤、2015.3.27)および改訂版「お任せ民主主義」の終焉 ―近代の超克と主体性構築の時代へ―(小貫・伊藤、2015.3.2)の全文を併せてお読みいただければ幸いです。

「菜園家族」的平和主義の構築 ―憎悪と暴力の連鎖をどう断ち切るか―

安倍政権は、「積極的平和主義」の名のもとに、強引に憲法9条の拡大解釈をおしすすめ、その法制化を急いでいます。いよいよわが国が物質的にも精神的にも軍事化へと急傾斜していく今、強い危機感と憤りを覚えています。
 戦後70年の節目にあたって、“甦る憲法第9条” の願いを込めて、このたび小文 「菜園家族」的平和主義の構築 ―憎悪と暴力の連鎖をどう断ち切るか― (小貫雅男・伊藤恵子)をまとめました。
 この中では、憲法9条の精神を生かす具体的で現実的な道として、自衛隊の漸次解消と「防災隊」(仮称)への統合・再編という新たな提案も行っています。
 非戦・平和構築の運動の創造的展開に、ささやかながらも一つの視点を投げかけるものになればと思っています。ぜひご一読ください。

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
「菜園家族」的平和主義の構築 ―憎悪と暴力の連鎖をどう断ち切るか―
(2015年3月27日付、PDF:411KB、A4用紙10枚分)

 この小文の構成は下記の通りです。

目 次

あらためてアルジェリア人質事件を思い起こす
日本国憲法の平和主義、それを具現化する確かな道こそが今何よりも求められている
アベノミクス主導の解釈改憲強行の歴史的暴挙
あらためて日本国憲法を素直に読みたい
アベノミクス「積極的平和主義」の内実たるや
「自衛」の名の下に戦った沖縄戦の結末は
「巨大国家の暴力」と「弱者の暴力」との連鎖をどう断ち切るか
憲法第9条の精神を生かす新たな提案
  ― 自衛隊の漸次解消と「防災隊」(仮称)への統合・再編

非戦・平和の運動に大地に根ざした新しい風を
「菜園家族」の道こそ、世界に誇る日本国憲法にいのちを吹き込む
戦後70年の節目を迎えた今、もう一度初心にかえり世界の人々に呼びかけよう

2015年3月2日に当ホームページに掲載した改訂版「お任せ民主主義」の終焉 ―近代の超克と主体性構築の時代へ―(小貫・伊藤、PDF:1,221KB、A4用紙43枚分)を併せお読みいただければ、「平和構築」に関するこの小文の本意を、さらに深いところから汲み取っていただけるのではないかと思っています。

改訂版「お任せ民主主義」の終焉 ―近代の超克と主体性構築の時代へ―

このたび、2015年1月25日に初掲載した小論 「お任せ民主主義」の終焉 ―近代の超克と主体性構築の時代へ― (小貫雅男・伊藤恵子)を3月2日付で改訂しました。
今回の改訂版では、後編 その5 「菜園家族」的平和主義の構築 ― 千里の道も一歩から を加筆し、「積極的平和主義」の名のもとに、いよいよ軍事化へと急傾斜していく今日の流れに対峙して、非戦・平和構築の新たな提案も行っています。

年明け早々、パリ新聞社襲撃事件、「イスラム国」人質事件が立て続けに起こり、世界はいよいよ混迷の度を深めています。
こうした中、アベノミクスの「成長戦略」、「地方創生」など、旧態依然たる上から目線の政策が次々と押しつけられてきます。地域や労働の現場に生きる人々の立場に立った、かつ21世紀日本のめざすべき方向を見据えた全一体的な研究と実践、それに基づく未来への展望とそこに至る具体的な道筋の探究が今ほどもとめられている時もありません。
戦後70年の節目にあたり、重大な岐路に立たされている今こそ、どこかで誰かによって自らの運命が決められてしまう「お任せ民主主義」を克服し、自らの頭で自らの道を主体的に考え行動する、そんな主権在民のあるべき姿を取り戻したい・・・。こうした思いから、今回の改訂版はまとめられています。
ご関心のある方は、ぜひご一読ください。

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
改訂版「お任せ民主主義」の終焉―近代の超克と主体性構築の時代へ―
(2015年3月2日付、PDF:1,221KB、A4用紙43枚分)

本改訂版の構成は下記の通りです。

改訂版の構成 ―

まえがき ― 混沌から「自然(じねん)」の世界へ ―

前編 近代超克への構想 ―「菜園家族」基調の自然循環型共生社会への道
はじめに ― 今なぜ近代の超克なのか
Ⅰ ここであらためて私たち自身の現実を簡潔に確認しておきたい
Ⅱ 「菜園家族」構想の問題意識と要諦
Ⅲ 21世紀の未来社会論に欠かせない「地域研究」の理念と方法
Ⅳ 近代を超克する「菜園家族」基調の自然循環型共生社会への道(B型発展の道)
むすびにかえて ― 前編のおわりに

後編 自然循環型共生社会へのアプローチ ― 幾つかの具体的提案
―「菜園家族」基調の抗市場免疫の自律的世界へ ―

はじめに ― 今もとめられている理想への具体的道筋の探究
その1 原発のない低炭素社会への道、その究極のメカニズム
その2 戦後70年の節目に、地域社会の本当の実態把握を ― 新たなる未来の明日のために
その3 「菜園家族」じねんネットワーク(SJnet)の構築、その多彩で豊かな展開
その4 「菜園家族」じねんシンクタンク(SJTT)の創設にむけて
その5 「菜園家族」的平和主義の構築 ― 千里の道も一歩から (2015年3月2日加筆)

あとがき ― 自然(じねん)の思想を研究と実践の世界へ ―

近代超克への構想 ―「菜園家族」基調の自然循環型共生社会への道―

去る2014年9月20日(土)・21日(日)に大阪府立大学において、環境思想・教育研究会 第2回研究大会が開催され、大会第2日目には、当里山研究庵Nomadから、小貫がフォーラム「将来社会を〈農〉と環境から構想する」で報告し、伊藤が一般研究発表で報告しました。

この時の報告レジュメに大幅加筆し、このたびあらためて小論 “ 静かなるレボリューション 近代超克への構想 ―「菜園家族」基調の自然循環型共生社会への道― ” (小貫雅男・伊藤恵子、2014年11月16日)としてまとめました。ご一読ください。

◆ こちらから全文のダウンロードができます。
“ 近代超克への構想 ―「菜園家族」基調の自然循環型共生社会への道― ”
(PDF:734KB、A4用紙13枚分)

なお、目次は下記の通りです。

― 目 次 ―

はじめに ― 今なぜ近代の超克なのか
あらためてアルジェリア人質事件を思い起こす
果たして私たちの暮らし方、社会経済のあり方はこれでいいのか
迫られるパラダイムの転換 ― 大地への回帰
世界を揺るがす暴力の連鎖、それをどう断ち切るか
戦争を生まない、心豊かな「くに」 ―「菜園家族」的平和主義をめざして

Ⅰ ここであらためて私たち自身の現実を簡潔に確認しておきたい

Ⅱ 「菜園家族」構想の問題意識と要諦
私たちの生きている現代社会は、多重・重層的な階層構造を成している
近代経済学の致命的な弱点
19世紀マルクスの思想と理論の到達点、その未来社会論の限界
パラダイムの転換を阻む今日の分厚い思想的土壌、まずはこのことの自覚から
迫られる未来社会論の再構築

Ⅲ 21世紀の未来社会論に欠かせない「地域研究」の理念と方法
1)今あらためて根源的に考える ―「家族」とは一体何なのか
2)「新しい地域研究」の必要性 ―21世紀未来社会論構築のために
ここで言う「地域」とは何か
21世紀未来社会を展望する「新しい地域研究」
総合科学としての「新しい地域研究」が21世紀の未来社会論を切り拓く

Ⅳ 近代を超克する「菜園家族」基調の自然循環型共生社会への道(B型発展の道)
伝統的な“森と海を結ぶ流域地域圏”の衰退、それがもたらしたもの
修復不能に陥った深刻な矛盾
今や小手先の対症療法ではどうにもならない
「菜園家族」の創出は近代超克の究極の槓杆である

1 近代超克の「菜園家族」構想、その前提となるいくつかの定義、基礎的概念

2「菜園家族」基調の自然循環型共生社会への具体的展開
1)現代賃金労働者と生産手段(最小限度の農地・生産用具など)との「再結合」
~自然と風土に根ざした「菜園家族」の創出と「地域」の再生~
2)「菜園家族」を育むゆりかごとしての“森と海を結ぶ流域循環型地域圏”の形成
3)「菜園家族」・「匠商家族」基調のCFP複合社会とその展開過程
~資本主義セクターC(Capitalism)、家族小経営セクターF(Family)、公共的セクターP(Public)~
4)CFP複合社会の生成・発展に果たす地方自治体の役割
5)原発のない低炭素社会へ導く新たな仕組みCSSKメカニズムの創設
6)「菜園家族」構想を資本の自己増殖運動の側面から考える ~21世紀を長期展望のもとに~

むすびにかえて
1)いのちの思想を現実の世界へ ― 私たちはあまりにも自然の流れから逆行している
2)混迷の時代だからこそ見失ってはならない未来社会への展望、そこへ到達する具体的道筋の探求
3)いま私たちにもっとも欠けているものは
4)近代を超克する21世紀の草の根未来社会論 ― 混沌から調和へ

環境思想・教育研究会は、2005年に当時東京農工大学大学院教授であった尾関周二先生(現 同大学名誉教授)の研究室を拠点に発足した研究会です。詳しくは、
環境思想・教育研究会ホームページ http://environmentalthought.org/ をご覧ください。
今回の研究大会全体についての情報(プログラム・各報告の要旨など)も、上記ホームページに掲載されています。

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