予め長編連載の全体像を把握するために Ⅲ

In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance Ⅲ

 Ⅰ.≪総括にかえて≫の核心部分
   The main parts of “In Lieu of a General Summary”
 Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
   “The Interrelation between the ‘Garden Family’ Vision for a Future Society and
  the Constitution of Japan”
Ⅲ.≪総目次一覧≫
   “The Complete Table of Contents”

◆ こちらからダウンロードできます。
日本語原文(the original Japanese text)
「予め長編連載の全体像を把握するために」
Ⅲ.≪総目次一覧≫
(PDF:526KB、A4用紙11枚分)

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Tentative English Translation(英語試訳)
“In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance”
Ⅲ. “The Complete Table of Contents”
(PDF:321KB, 13 pages)

(Followed by tentative English translation)

Ⅲ.≪総目次一覧≫(the original Japanese text)

天文台と北天の星の軌跡trim3(横に細長くトリミング)
天文台と北天の星の軌跡

長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―(小貫雅男・伊藤恵子)
  ―2024年9月1日~2025年3月14日 里山研究庵Nomadホームページに連載―

プロローグ ―身近な過去を振り返り、はるか彼方の「未来」を考える―

夏の銀河(横に細長くトリミング)

(その1)
 意志あるかのように人間どもの隙を突いてきた新型コロナウイルス
 新型コロナウイルスと気候変動の両者を全一体的(ホリスティック)に捉える
 新型コロナウイルスがもたらした社会経済的衝撃、その真相と本質
 突きつけられた近代特有の人間の社会的生存形態「賃金労働者」の脆弱性

(その2)
 迷走する新型コロナウイルス対策
 21世紀未来社会構想の不在、それがもたらす気候変動・パンデミック下の混迷
 “生命系の未来社会論”を探る ―大地と人間の高次再融合
 民衆の新たな生活世界を築く ―わが国の、世界の腐り切った特権的「政治」を乗り超えて
 本長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」の主眼

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予め長編連載の全体像を把握するために Ⅱ

In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance Ⅱ

 Ⅰ.≪総括にかえて≫の核心部分
   The main parts of “In Lieu of a General Summary”
Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
   “The Interrelation between the ‘Garden Family’ Vision for a Future Society and
  the Constitution of Japan”

 Ⅲ.≪総目次一覧≫
   “The Complete Table of Contents”

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日本語原文(the original Japanese text)
「予め長編連載の全体像を把握するために」
Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
(PDF:385KB、A4用紙6枚分)

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Tentative English Translation(英語試訳)
“In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance”
Ⅱ. “The Interrelation between the ‘Garden Family’ Vision for a Future Society
and the Constitution of Japan”

(PDF:276KB, 6 pages)

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Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
 (the original Japanese text)

朝日・雲

 戦後、わが国の歴代自民党政権は、こともあろうに、世界に誇る日本国憲法をなぜか一貫して敵視し、勝手気ままになんのかのと口実をこねまわし、解釈改憲を執拗に繰り返しながら、既成事実を着々と積み重ね、今日に至っている。
 これほど長期にわたる卑怯、悪辣な政治もなかったのではないか。
 と同時に、これを許してきた国民の側の弱さにも、自戒の念を込めて、鋭い目を向けなければならない時に来ている。

 戦後80年が経ったまさに今、日本国憲法のこの不幸な歴史的軌跡の実態とその本質も、長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」の反照によってはじめて、次第に明らかになっていくのではないか。
 そして、その解決の道は、とどのつまり、日本国憲法の優れた条文を現実世界に根気よく具現化していくことに尽きるのである。

 つまりそれは、こういうことになろう。

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予め長編連載の全体像を把握するために Ⅰ

In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance Ⅰ

Ⅰ.≪総括にかえて≫の核心部分
   The main parts of “In Lieu of a General Summary”
 Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
   “The Interrelation between the ‘Garden Family’ Vision for a Future Society and
  the Constitution of Japan”
 Ⅲ.≪総目次一覧≫
   “The Complete Table of Contents”

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日本語原文(the original Japanese text)
「予め長編連載の全体像を把握するために」
Ⅰ.≪総括にかえて≫の核心部分
(PDF:718KB、A4用紙20枚分)

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Ⅰ. The main parts of “In Lieu of a General Summary”
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Ⅰ.≪総括にかえて≫の核心部分(the original Japanese text)

爺々にれ(水野泰子)上部をトリミング
爺々(ちゃちゃ)にれ       画・水野泰子

長編連載「いのち輝く共生※1 の大地 ―私たちがめざす未来社会―」の総括にかえて

 長編連載の終了にあたり、その総括にかえて、後述の「近代(資本主義の時代)を超克する高次国民運動への根源的転換に向けて」を8項目にわたって掲載します。
 つまりそれは、―「地域」※2 と「労働」の私たち自身の足もとから築く“21世紀、高次国民運動”への根源的転換―をめざすものです。
 これを骨子に、あまたの英知に学び、さらなる目標に向かって努めていきたいと思います。

 長編連載の≪総括にかえて≫に先立ち、まずは長編連載そのものを振り返り、◆長編連載の核心的根幹◆を簡潔に確認することからはじめたいと思います。

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長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」英語訳の試みにあたって

On the attempt to translate the long-running series “The Earth of Symbiosis Where All Lives Shine ― The Future Society We Aim for ―” into English

(Followed by English translation)

お知らせ

緑色の鹿

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
英語訳の試みにあたって
(PDF:294KB、A4用紙2枚分)

 屈辱と混迷の戦後80年。
 混沌と抗争、戦乱の時代にあって、今ほど国境を越えた民衆同士の対話と相互理解が求められている時もないのではないか――。

 昨今の自動翻訳機能の著しい発達を受け、長編連載「いのち輝く共生※1 の大地 ―私たちがめざす未来社会―」(小貫雅男・伊藤恵子、2024年9月1日~2025年3月14日 当ホームページに連載)の終了を機に、その英訳作成に取り組むことにしました。

 まず手はじめに、予めこの長編連載の全体像を把握していただくために、下記Ⅰ~Ⅲの英語訳を試み、近く、本ホームページに3回にわたって掲載していきます。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」の総括にかえて

  長編連載 の終了にあたり、その総括にかえて、後述の「近代(資本主義の時代)を超克する高次国民運動への根源的転換に向けて」を8項目にわたって掲載します。
 つまりそれは、―「地域」と「労働」の私たち自身の足もとから築く “21世紀、高次国民運動” への根源的転換―をめざすものです。
 2025年、早春を迎え、これを骨子に、あまたの英知に学び、さらなる目標に向かって努めていきたいと思います。

 長編連載の≪総括にかえて≫に先立ち、まずは長編連載そのものを振り返り、◆長編連載の核心的根幹◆を簡潔に確認することからはじめたいと思います。

 ところで、かつての19世紀未来社会論には、当時の科学研究上の時代的制約から、当然のことながら、大自然界の生成・進化の「適応・調整」の原理(=「自己組織化」)を、自然界と人間社会両者を貫く生成・進化の普遍的原理に止揚し、その普遍的原理を基軸に、未来社会を構想する発想は、残念ながらなかったといってもいい。

 今日、「自己組織化」の理論は、とくに自然科学研究の分野においては広く定着しているにも関わらず、その原理を自然界と人間社会両者を貫く全一体的(ホリスティック)な普遍的原理に措定し、19世紀未来社会論を敢然と止揚し、21世紀未来社会論を理念および具体的方法論にわたって構想する例は、管見の限り見当たらない。

 こうした今日の未来社会論の現状を根源的に是正すべく試みたのが、この 長編連載 「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」の内実であり、21世紀“生命系の未来社会論”具現化の道としての「菜園家族」未来社会構想に込められた理念と具体的方法論なのである。

 大自然界と人間社会両者の生成・進化を貫く「適応・調整」の普遍的原理(=「自己組織化」)、およびそこから自ずと導き出される“地域生態学”的方法論を二つの大切な基軸にして、この長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」は展開されている。

 特に、大自然界の生成・進化の原理(=「自己組織化」)、および地域生態学的基軸方法論、これら二つの論点に刮目して、再度、本連載を読み通していただければ幸いである。

◆長編連載の核心的根幹◆

米中露「三超大国」を基軸に
先進資本主義諸国入り乱れての
醜い多元的覇権抗争の時代。

  超大国、大国いずれの国においても
  国民主権を僭称する
  一握りの政治的権力者は
  分断と対立と憎しみを煽り
  民衆に
  民衆同士の凄惨な殺し合いを強制する。

今や世界は生命を蔑ろにして恥じない
倫理敗北の時代に突入している。

  今こそ
  自然観と社会観の分離を排し
  大自然界の生成・進化を貫く
  「適応・調整」(=「自己組織化」)の原理を
  両者統一の生成・進化の普遍的原理に止揚し
  社会変革のすべての基礎におく。

根なし草同然の賃金労働者と
生産手段との「再結合」による
近代と前近代の「労」「農」人格一体融合の
抗市場免疫に優れた
新たな人間の社会的生存形態
「菜園家族」を基礎単位に構築される
21世紀の未来社会構想。

   “生命系の未来社会論” 具現化の道としての
  この「菜園家族」未来社会構想の根底には
  人々の心に脈々と受け継がれてきた
  大地への回帰と止揚(レボリューション)という
  民衆の揺るぎない歴史思想の水脈が
  深く静かに息づいている。

まさにこの民衆思想が
冷酷無惨なグローバル市場に対峙し
大地に根ざした
素朴で精神性豊かな生活世界への
新たな局面を切り拓く。

  世界は変わる
  人が大地に生きる限り。

 人間復活の高次自然社会を展望するこの “生命系の未来社会論” の核心は、とどのつまり、21世紀の今日の現実から出発して、脱資本主義に至る長期にわたるプロセスのいわば中間項に、近代と前近代の「労」「農」人格一体融合の抗市場免疫に優れた社会的生存形態「菜園家族」を基調とするCFP複合社会 の生成過程を必要不可欠の一時代として措定し、位置づけていることにある。

 まさにこの点において、「菜園家族」未来社会構想は、19世紀以来、人類が連綿として探究し続けてきたこれまでの未来社会論に対して、あらためて再考を迫るものになるであろう。
 まさしくそれは、19世紀マルクス未来社会論アウフヘーベンの肝心かなめの鍵であり、今日社会の閉塞・混迷自体をも打開する、希望と創意あふれる明日への道でもあるのです。

資本主義セクターC(Capitalism)と、家族小経営セクターF(Family)と、公共的セクターP(Public)の3つのセクターから成る複合社会。

― 長編連載の≪総括にかえて≫ ―
近代(資本主義の時代)を超克する
高次国民運動への根源的転換に向けて

近代巨大建造物は
まさしく音を立て
今や腐蝕と崩落の目前にある。

 欺瞞に充ち満ちた
 「選挙」の卑小な枠組みに埋没し
 権力の術中に陥ることなく
 21世紀の新たな人間の社会的生存形態「菜園家族」を土台に
 大地に根ざした、いのち輝く民衆主体の
 高次国民運動への根源的大転換へ。

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
総括にかえて
(PDF:822KB、A4用紙21枚分)

 ―― ≪総括にかえて≫ の 目 次(8項目) ――

(1)民衆の生活世界を自らの足元から築く
   ―腐り切ったわが国の「政治」を乗り越えて―

(2)21世紀こそ草の根の変革主体の構築を
   ―まことの民主主義の復権と「地域」と「労働」の再生―

   「お任せ民主主義」を社会の根っこから問い直す
   身近な語らいの場から、未来への瑞々しい構想力が漲(みなぎ)る

(3)労働組合運動の驚くべき衰退、そこから見えてくるもの

(4)21世紀の労働運動と私たち自身のライフスタイル ―「菜園家族」の新しい風を―

(5)「菜園家族」型ワークシェアリングと21世紀労働運動の革新

(6)多彩で自由な人間活動の「土づくり」
   ―次代への長期展望に立った
     国民的運動への根源的大転換に向けて―

(7)「お任せ民主主義」を排し、何よりも自らの主体性の確立を
   ―そこにこそ人間としてまことの生きる喜びがある―

(8)身近な郷土の「点検・調査・立案」の連続らせん円環運動から
   “21世紀の未来”が見えてくる

――― ◇ ◇ ―――


―メモランダム風に―
以下8項目

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」エピローグ(その2)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

エピローグ ―高次自然社会への道― (その2)
 ~19世紀未来社会論のアウフヘーベン
  その展開のメカニズムと世界史的意義~

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
エピローグ(その2)
(PDF:844KB、A4用紙18枚分)

朝日が昇る(横に細長くトリミング)

4.夜明けを告げる伝統と革新の「東アジア世界」
――今やわが国のみならず、東アジアの民衆にとって
  自己の主体性の確立は、避けられない共通の急務となっている――

現代中国の女性作家・梁鴻(リアン・ホン)の作品が投げかけるもの
 いま世界は、AI(人工知能)技術の世界的な開発競争に火がついた。
 世界中の巨大企業が自動運転や人型ロボットの開発、ビッグデータの活用などの先陣争いにしのぎを削り、いっそうの人減らし(合理化)の手段としてAIの応用に必死である。軍事産業は、無人戦闘機や無人戦車などの殺人兵器の開発に余念がない。

 今日、人口13億9000万人(2017年現在)を擁する巨大中国は、改革開放後のわずか40年で大変貌を遂げた。
 就業者構造から見れば、2017年の第一次、第二次、第三次産業部門の就業者の比重は、27.0%、28.1%、44.9%である。国有部門就業者は1億人超、私営企業(従業員8人以上)1億7999万人、個人企業(従業員7人まで)1億2862万人である。小営業部門である私営企業と個人企業の就業者は合計3億861万人、これに農民を加えれば、就業者の約65%が小営業部門で働いていることになる。
 栄華の陰で、農民工(長期出稼ぎ農民)総数2億8700万人(うち外地農民工1億7000万人)の群れが蠢(うごめ)いている。※1

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」エピローグ(その1)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

エピローグ ―高次自然社会への道― (その1)
 ~19世紀未来社会論のアウフヘーベン
  その展開のメカニズムと世界史的意義~

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
エピローグ(その1)
(PDF:776KB、A4用紙20枚分)

オリオン座大星雲

1.CFP複合社会から自然循環型共生社会(FP複合社会)を経て高次自然社会へ

1) 1.CFP複合社会から自然循環型共生社会(FP複合社会)を経て高次自然社会へ
 この世界に、そしてこの宇宙に存在するすべては、絶えず変化の過程にある。それはむしろ、変化、すなわち運動そのものが存在である、と言ってもいいのかもしれない。
 21世紀、生命系の未来社会形成の初期段階で、決定的に重要な役割を担う「労」「農」人格一体融合の抗市場免疫に優れた人間の社会的生存形態「菜園家族」を基調とするCFP複合社会も、決してその例外ではない。
 ここでは、CFP複合社会の展開過程を、まず、資本主義セクターC(Capitalism)、家族小経営セクターF(Family)、公共的セクターP(Public)の3つのセクター間の相互作用に注目しながら見ていきたい。そして、その側面から、人間の労働とは一体何なのかを問いつつ、その未来のあるべき姿についても同時に考えることにする。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第13章(その4)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第四部 民衆主体の具体的政策
―「いのち輝く共生の大地」をめざして―

第13章
「菜園家族的平和主義」の構築(その4)
 
―いのちの思想を現実の世界へ―

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第13章(その4)
(PDF:750KB、A4用紙13枚分)

雲から顔を覗かせる太陽(銅版画調・カラー)

日米軍事同盟のもと
いつまでもアメリカの権力に追従し
東アジアの民衆に背を向け
この地域世界に
撹乱をもたらしている場合ではないのである。
 今こそ
 自らの「菜園家族的平和主義」の理念を高く掲げ
 いかなる軍事同盟にも加担しない
 非武装・不戦、非同盟・中立の
 この道の選択を
 いよいよ決断する時に来ているのではないか。

5.東アジア地域世界に宿命的に集中胚胎するグローバル危機の震源

ライオンとドラゴン(銅版画調・モノクロ)

あまりにも片寄った情報の氾濫の中で考える ―朝鮮半島情勢をめぐって
 これまで超大国アメリカをはじめ、日本など先進資本主義諸国は、きまって仲間同士徒党を組み、「テロとの戦い」とか「核不拡散」とかを口実に、特定の国を仮想敵国に仕立て、対立と敵愾心を煽ってきた。
 なかんずく極東においては、長きにわたって、米韓合同軍事演習が大々的に展開されてきた。と同時に、アメリカとそれに追従する日本の権力的為政者は、口を揃えて武力威嚇の本音とその本質を眩(くら)ます欺瞞の常套句「抑止力」とか、「対話と圧力」などと呪文のように繰り返し、自らは日米軍事同盟のもと、日本国憲法第九条をかなぐり捨て、軍事力を際限なく強化していく。日米合同軍事訓練を強行し、果てには「自衛のため」だと、敵基地先制攻撃をも辞さないと威嚇する。

 緊張を高めてきたのは、果たして北朝鮮の側だけなのか。あるいは、中国側だけなのか。
 わが国における情報は、あまりにも一方的で、片寄りすぎているのではないか。
 軍部主導の大本営発表を鵜呑みに、国民こぞって大戦へとのめり込んでいったかつての記憶が、今鮮やかに甦ってくる。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第13章(その3)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第四部 民衆主体の具体的政策
―「いのち輝く共生の大地」をめざして―

第13章
「菜園家族的平和主義」の構築(その3)
 
―いのちの思想を現実の世界へ―

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第13章(その3)
(PDF:745KB、A4用紙12枚分)

4.戦争の本質は国家権力による民衆同士の殺し合いである
 ―どんな理由があろうとも、戦争は人間冒涜の究極の大罪―

 気候変動、新型コロナウイルス・パンデミック、そしてウクライナ戦争、ガザにおけるジェノサイドと、めまぐるしく同時多発する惨禍。この世界的複合危機、混迷の時代にあって、世論はますます近視眼的で狭隘な視野に陥っていく。
 今一旦、時間と空間を広げ、少なくとも冷戦後の歴史に視座を据え、そこから今日の時代状況とこの複合的危機の性格を確認しておく必要があるのではないか。

 国民の戦争と平和に対する考え方が急速に後退、麻痺する中、この機に乗じて、新聞・テレビなどマスメディアに次々に登場する「軍事専門家」と称する評論家のゲーム感覚まがいの生命軽視、人間冒涜とも言える「戦争俗論」が横行、罷り通る今、わが身を見つめ直すためにも、19世紀ロシア文学を代表する文豪トルストイが『イワンのばか』(1885年)に込めた人間と社会への深い思想、そして『俘虜記』(1948年)の作家大岡昇平が自らの実体験から深めた現代戦争と人間への透徹した思索に今一度立ち返って、考えてみることが大切ではないだろうか。
 少し長くなるが、以下の4つの項目に沿って話を進めたいと思う。

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長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第13章(その2)

長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―

第四部 民衆主体の具体的政策
―「いのち輝く共生の大地」をめざして―

第13章
「菜園家族的平和主義」の構築(その2)
 
―いのちの思想を現実の世界へ―

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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第13章(その2)
(PDF:620KB、A4用紙8枚分)

夏の銀河 trim3

どんな理由があろうとも
戦争には決して組しない。
これが
あまりにも凄惨な犠牲の末に
やっと辿り着いた
私たちの結論であり
未来への希望の光ではなかったのか。

3.非同盟・中立の自然循環型共生の暮らしと平和の国づくり

 嘆かわしいことに、今日の世界で起きている事態は、巨額の軍事費を費やし、最新の科学技術の粋を凝らしてつくり上げた、政・官・財・軍・学の巨大な国家的暴力機構から繰り出す超大国の恐るべき軍事力と、それにひきかえ、自己のいのちと他者のいのちを犠牲にすることによってしか、理不尽な抑圧と収奪に対する怒りを表し、解決する術を見出すことができないところにまで追い詰められた「弱者の暴力」との連鎖なのである。

地べたに伏す鹿(銅版画調・モノクロ)

 かつてガンジーが、インドの多くの民衆とともに「弱者」の側から示した精神の高みからすれば、大国の圧倒的に強大な軍事力、すなわち暴力によって「弱者の暴力」を制圧、殲滅し、暴力の連鎖をとどめようとすることが、いかに愚かで恥ずべきことなのかをまず自覚すべきである。

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