コラム「菜園家族 折々の語らい」(8)

コラム
菜園家族 折々の語らい(8)

 新生「菜園家族」日本の構築
 
―世界に誇る日本国憲法、究極の具現化―

青空に浮かぶ雲(横長)

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(8)
(PDF:434KB、A4用紙6枚分)

21世紀人々は、前人未踏の
おおらかな自然(じねん)の世界を求め
大地への壮大な回帰と止揚(レボリューション)の道を歩みはじめる。
  根なし草同然となった
  近代特有の人間の社会的生存形態
  賃金労働者を根源的に問い直し
冷酷無惨なグローバル市場に対峙して
抗市場免疫に優れた「菜園家族」を基礎に
素朴で、精神性豊かな生活世界を構築する。
  憎しみと報復の連鎖に代えて
  非武装・不戦の誓いを
  いのちの思想を
  暮らしの根っこから。
今こそ、近代のパラダイムを転換する。

小国主義と大国主義、苦闘の日本近現代史
 明治維新政治史、日本近代史の研究者である田中彰氏は、小国論の視座から『特命全権大使米欧回覧実記』を検討し、その後に現れた小国主義の代表的な主張、議論を辿りながら日本近代史を描きなおした名著『小国主義 ―日本の近代を読みなおす―』(岩波新書、1999年)の結論部分で、要約以下のように述べている。

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(7)

コラム
菜園家族 折々の語らい(7)

 小さな「地域」から覗く世界の真実

仔羊に哺乳するバドローシさんと子供たち
早春、仔羊の誕生を喜ぶモンゴル遊牧民の家族
子どもたちも哺乳を手伝う(山岳・砂漠の村ツェルゲル)

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(7)
(PDF:415KB、A4用紙6枚分)

逆行の時代から反転の時代へ
 実に不思議なことではあるが、わが国歴代の権力的為政者は、戦後一貫して日本国憲法を嫌い、平然と憲法違反の既成事実を積み重ね、かつての軍国主義日本の道をひたすら突き進んできた。その手口たるや、卑劣としか言いようがない。

 1990年代初頭、第二次大戦後の世界を規定してきた米ソ二大陣営の対立による冷戦構造が崩壊し、アメリカ単独覇権体制が成立することになる。しかし、それも束の間、アメリカ超大国の相対的衰退傾向の中、その弛緩に乗ずるかのように、旧来の伝統的大国に加え、新興大国が入り乱れる新たな地球規模での多元的覇権争奪の時代がはじまった。
 アベノミクス、それを引き継ぐ高市政権の「責任ある積極財政」、「経済大国」、「軍事大国」への志向は、まさにこの新たな時代に現れた21世紀型「新大国主義」の台頭とも言うべきその本質が、直截的、具体的に現実世界に投影された姿そのものと見るべきであろう。

 この時代に注目すべきもう一つの特徴は、ソ連・東欧の「社会主義」体制の崩壊によって、人々がかつて希望の星と仰いだ人類の理想への道に幻滅し、めざすべき新たな未来への道を見失ったまま、自暴自棄に陥っている点にある。地球規模での混迷と混乱の中、剥(む)き出しの欲望が渦巻き、モラルの崩壊、欺瞞と策略の蔓延、暴力と紛争と戦争の常態化を招き、恐るべき暗黒の世界を現出している。

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(6)

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菜園家族 折々の語らい(6)

 「菜園家族」の原風景から

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(6)
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  甦る大地の記憶
   心ひたす未来への予感

夕景

 画家・原田泰治の“ふるさとの風景”は、現代絵画であると言われている。日本からは、もうとっくに失われてしまった過去の風景でありながら、そこには現代性が認められるという。
 たしかな鳥の目で捉えるふるさとの風景の構図。しかも、心あたたかい虫の目で細部を描く、彩り豊かな原田の絵画の世界には、きまって大人と子どもが一緒にいる。大人は何か仕事をし、子どもたちはそのそばで何かをしている。
 人間の息づかいや家族の温もりが、ひしひしとこちらにむかって伝わってくる。込みあげてくる熱いものを感ぜずにはおられない“心の原風景”が、そこにはあるからであろう。
 21世紀をむかえた今、子どもと家族の復権を無言のうちに訴えかけてくる。

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(5)

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菜園家族 折々の語らい(5)

 近代思考の大転換
 
―“生命系の未来社会論”の真髄―

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(5)
(PDF:575KB、A4用紙12枚分)

図1-3 自然界~「適応・調整」の原理~

1.今こそ近代の思考の枠組み(パラダイム)を転換する ―“生命系の未来社会論”の措定―

未踏の思考領域に活路を探る
 「菜園家族」とは、大地から引き離され、自立の基盤を失った現代の「賃金労働者」が、自立の基盤としての「菜園」との再結合を果たすことによって創出される新たな家族形態のことである。
 それはつまり、大地から遊離し、根なし草同然となった不安定な現代賃金労働者(サラリーマン)が、大地に根ざして生きる自給自足度の高い前近代の「農民的人格」との再融合を果たすことによって、21世紀の新たな客観的諸条件のもとで「賃金労働者」としての自己を止揚(アウフヘーベン)し、抗市場免疫に優れた、より高次の人間の社会的生存形態に到達することを意味している。

 “生命系の未来社会論”の具現化としての「菜園家族」社会構想を、懐古趣味的アナクロニズムの妄想として一蹴するのは簡単ではあるが、それでは人間の存在自身を否定する、非正規労働という身分保障もない、差別的低賃金の不安定雇用が蔓延する今日の事態を乗り越え、非人間的で非人道的な現実をどうするかの解答にはならない。
 これに答えるためには、結局、近代の所産である「賃金労働者」という人間の社会的生存形態が、はたして永遠不変のものなのか、という根源的な問いに行き着かざるを得ないであろう。

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(4)

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菜園家族 折々の語らい(4)

 21世紀、私たちがめざす未来社会 ―その理念と方法論の革新
 ―19世紀未来社会論の「否定の否定」の弁証法―(その2)

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(4)
(PDF:467KB、A4用紙6枚分)

樹木と星空(赤・青)

2.21世紀の未来社会論、そのパラダイムと方法論の革新

21世紀の今日にふさわしい新たな歴史観の探究を
 前回のコラム「菜園家族 折々の語らい」(3)で述べたような時代認識に立つ時、21世紀の新たな未来社会論の構築に先立って、今日、何よりも切実に求められているものは、19世紀近代の歴史観に代わる、“地域生態史観”とも言うべき新たな歴史観の探究であり、確立であろう。
 それはとりもなおさず、大自然界の摂理に背く核エネルギーの利用という事態にまで至らしめた、少なくとも18世紀以来の生産力至上主義の近代主義的歴史観に終止符を打ち、21世紀の時代要請に応えうる新たな歴史観を探究することであろう。
 そして、やがて構築されるこの新たな歴史観と、そこから自ずと導き出される革新的地域研究としての「地域生態学」に裏打ちされた新たな「経済学」とを両輪に、21世紀の未来社会論は確立されていく。

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(3)

コラム
菜園家族 折々の語らい(3)

 21世紀、私たちがめざす未来社会 ―その理念と方法論の革新
 ―19世紀未来社会論の「否定の否定」の弁証法―(その1)

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(3)
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人間の頭(銅版画調・カラー)

民衆は黙ってはいられない ―「Kings」のお膝元でも民衆の蜂起が
 1990年代初頭、第二次大戦後の世界を規定してきた米ソ二大陣営の対立による冷戦構造が崩壊し、アメリカ単独覇権体制が成立することになる。しかし、それも束の間、アメリカ超大国の相対的衰退傾向の中、その弛緩に乗ずるかのように、旧来の伝統的大国に加え、新興大国が入り乱れる新たな地球規模での多元的覇権争奪の時代がはじまった。

 中国は、改革開放の時代を経て、今や日本を追い越し、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となった。習近平国家主席が世界に向かって唱える巨大経済圏構想「一帯一路」のもと、経済的・政治的影響力を拡大し、周辺諸国との軋轢を生み出している。中国「社会主義」はすっかり変質したかのようである。

 グローバル市場原理のもと、無秩序な自由貿易の拡大とともに、過酷な競争経済が世界を席捲して30年余が経過した今、その歪みが世界各地で噴出している。グローバル多国籍巨大企業や巨大金融資本に莫大な富が集中する一方で、各地の風土に根ざした人々のささやかな暮らしは破壊されていく。
 その荒波は、開発途上国のみならず、超大国アメリカをはじめ、先進工業国自身の国内産業、庶民の暮らしをも容赦なく侵蝕した。先進諸国の多くの人々が、従来の延長線上に約束されていたはずの「豊かな暮らし」から滑り落ちていったのである。

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(2)

コラム
菜園家族 折々の語らい(2)

 平和主義、根っこの思想から問いただす
 
―反国民的 高市自民と維新の欺瞞の連立政権―
     対米従属、屈辱の「外交」

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(2)
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オリオン座大星雲(横に細長くトリミング)_trim5

戦争の本質は国家権力に煽動され、強制された民衆同士の殺し合いである
 ―どんな理由があろうとも、戦争は人間冒涜の究極の大罪
 気候変動、新型コロナウイルス・パンデミック、そしてウクライナ戦争、ガザにおけるジェノサイドと、めまぐるしく同時多発する惨禍。この世界的複合危機、混迷の時代にあって、世論はますます近視眼的で狭隘な視野に陥っていく。
 今一旦、時間と空間を広げ、少なくとも冷戦後の歴史に視座を据え、そこから今日の時代状況とこの複合的危機の性格を確認しておく必要があるのではないか。

 国民の戦争と平和に対する考え方が急速に後退、麻痺する中、この機に乗じて、新聞・テレビなどマスメディアに次々に登場する「軍事専門家」と称する評論家のゲーム感覚まがいの生命軽視、人間冒涜とも言える「戦争俗論」が横行、罷り通る今、わが身を見つめ直すためにも、19世紀ロシア文学を代表する文豪トルストイが『イワンのばか』(1885年)に込めた人間と社会への深い思想、そして『俘虜記』(1948年)の作家大岡昇平が自らの実体験から深めた現代戦争と人間への透徹した思索に今一度立ち返って、考えてみることが大切ではないだろうか。
 少し長くなるが、以下の5つの項目に沿って話を進めたいと思う。

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(1)

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菜園家族 折々の語らい(1)

 高市自民党と日本維新の会の欺瞞の連立政権 発足に思う
 
―農業・農村問題の根っこから私たちの未来を考え直す―

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コラム「菜園家族 折々の語らい」(1)
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オリオン座 暗黒星雲(馬頭星雲)横に細長くトリミング

 9月の初め、かつての滋賀県立大学時代のゼミの女子学生の父親で、湖南地域の農村で、50年以上にわたり米作りを続けてこられた篤農家のIさんから、異常とも言える猛暑の中、丹精込めて育て、収穫された新米が届いた。
 添えられていた「心のふるさと 自然と農」と題する手書きのお便りには、次のような言葉が綴られていた。

 「天地異変。全国各地で起こった集中豪雨や水不足による農作物への影響は大。
 これまで無かった国民の米への関心。日本の主食でありながら、ここまでの話題になったことは過去にはない。飽食の時代で満足し、今日まで来たツケが廻ってきた感じ。
 我が集落では、農地が70ヘクタールあり、米作りをやっている農業者は法人1ヵ所と担い手農家2戸と零細農家6戸(60アール弱の私も該当)で、残りの9割の農家が「地主農家」となっているのが現状で、今後の農地維持が大きな課題となっています。」

農業・農村問題は、「社会」の致命的なアキレス腱
 どんな時代であろうとも、どんなに高度に発達した資本主義社会であっても、農業・農村問題は、「社会」の致命的なアキレス腱になる。そのことは、昨年以来の「令和のコメ騒動」によって、誰もが痛切に実感させられたところである。

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予め長編連載の全体像を把握するために Ⅲ

In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance Ⅲ

 Ⅰ.≪総括にかえて≫の核心部分
   The main parts of “In Lieu of a General Summary”
 Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
   “The Interrelation between the ‘Garden Family’ Vision for a Future Society and
  the Constitution of Japan”
Ⅲ.≪総目次一覧≫
   “The Complete Table of Contents”

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日本語原文(the original Japanese text)
「予め長編連載の全体像を把握するために」
Ⅲ.≪総目次一覧≫
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Tentative English Translation(英語試訳)
“In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance”
Ⅲ. “The Complete Table of Contents”
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(Followed by tentative English translation)

Ⅲ.≪総目次一覧≫(the original Japanese text)

天文台と北天の星の軌跡trim3(横に細長くトリミング)
天文台と北天の星の軌跡

長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―(小貫雅男・伊藤恵子)
  ―2024年9月1日~2025年3月14日 里山研究庵Nomadホームページに連載―

プロローグ ―身近な過去を振り返り、はるか彼方の「未来」を考える―

夏の銀河(横に細長くトリミング)

(その1)
 意志あるかのように人間どもの隙を突いてきた新型コロナウイルス
 新型コロナウイルスと気候変動の両者を全一体的(ホリスティック)に捉える
 新型コロナウイルスがもたらした社会経済的衝撃、その真相と本質
 突きつけられた近代特有の人間の社会的生存形態「賃金労働者」の脆弱性

(その2)
 迷走する新型コロナウイルス対策
 21世紀未来社会構想の不在、それがもたらす気候変動・パンデミック下の混迷
 “生命系の未来社会論”を探る ―大地と人間の高次再融合
 民衆の新たな生活世界を築く ―わが国の、世界の腐り切った特権的「政治」を乗り超えて
 本長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」の主眼

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予め長編連載の全体像を把握するために Ⅱ

In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance Ⅱ

 Ⅰ.≪総括にかえて≫の核心部分
   The main parts of “In Lieu of a General Summary”
Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
   “The Interrelation between the ‘Garden Family’ Vision for a Future Society and
  the Constitution of Japan”

 Ⅲ.≪総目次一覧≫
   “The Complete Table of Contents”

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日本語原文(the original Japanese text)
「予め長編連載の全体像を把握するために」
Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
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Tentative English Translation(英語試訳)
“In Order to Help You to Grasp the Overall Picture of the Long-running Series in Advance”
Ⅱ. “The Interrelation between the ‘Garden Family’ Vision for a Future Society
and the Constitution of Japan”

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Ⅱ.≪「菜園家族」未来社会構想と日本国憲法との内的連関≫
 (the original Japanese text)

朝日・雲

 戦後、わが国の歴代自民党政権は、こともあろうに、世界に誇る日本国憲法をなぜか一貫して敵視し、勝手気ままになんのかのと口実をこねまわし、解釈改憲を執拗に繰り返しながら、既成事実を着々と積み重ね、今日に至っている。
 これほど長期にわたる卑怯、悪辣な政治もなかったのではないか。
 と同時に、これを許してきた国民の側の弱さにも、自戒の念を込めて、鋭い目を向けなければならない時に来ている。

 戦後80年が経ったまさに今、日本国憲法のこの不幸な歴史的軌跡の実態とその本質も、長編連載「いのち輝く共生の大地 ―私たちがめざす未来社会―」の反照によってはじめて、次第に明らかになっていくのではないか。
 そして、その解決の道は、とどのつまり、日本国憲法の優れた条文を現実世界に根気よく具現化していくことに尽きるのである。

 つまりそれは、こういうことになろう。

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