“シリーズ21世紀の未来社会(全13章)”の要諦再読のスタートにあたって

“シリーズ21世紀の未来社会(全13章)”の
要諦再読 ―スタートにあたって―

  民衆の生活世界を築く
―腐り切ったわが国の「政治」を超えて―

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要諦再読 ―スタートにあたって―
“民衆の生活世界を築く”
(PDF:379KB、A4用紙4枚分)

森と夜空

21世紀における
資本主義超克の
人間復活のレボリューション。
 根なし草同然の賃金労働者と
 生産手段との「再結合」による
 抗市場免疫の「菜園家族」を基軸に展開する
 民衆の生活世界の構築。
  菜園家族レボリューション。

広大無窮の自然界を母胎に
生成・進化を遂げてきた人間社会。

 自然界と人間社会両者を貫く生成・進化の
 元来あるべき「適応・調整」(「自己組織化」)※1 の普遍的原理の
 決定的乖離の行き着く先。

それは、人間社会が大自然界のただ中にありながら
あたかも悪性の癌細胞の如く
増殖と転移を限りなく繰り返し
人間どもの飽くなき欲望の赴くままに
生命の惑星、地球を丸ごと
容赦なく蝕み尽くしていく
宿命的とも言うべき結末なのだ。

 自然界と人間社会の生成・進化を律する
 原理レベルでの乖離を抑制し
 両者合一の普遍的原理に
 限りなく収斂すること。

この壮大な人類的課題に立ち向かう
「菜園家族」を基調とするCFP複合社会の
長きにわたる展開過程。
 まさにこれこそが
 民衆の主体形成の確かな基盤創出にとって
 不可欠のプロセスであり
 社会構造のさまざまなレベルにおける
 多重重層的アソシエーション※2 創出の
 生きたプロセスでもあるのだ。

このプロセスのわが国における具現化である
民衆主体の自律的“菜園家族レボリューション”こそが
貧困と格差と戦争のない
大地に根ざした
素朴で精神性豊かな
民衆の生活世界を築く。

 時代の大転換期にあって
 未来に対する傲慢と不安が錯綜する
 混迷の今日においては尚のこと
 宿命を背負った人間社会への
 この新たな問いかけが
抽象レベルでの概念操作を延々と繰り返し
訓詁学的手法の隘路に陥りがちな現状を
自ずから克服し
現実世界に広がる豊かな具体的事実からの
帰納を重視する
実証的研究の復権を促す。

 それはやがて
 18世紀イギリス産業革命の渦中から現れた
 19世紀未来社会論を止揚し
 新たな時代の要請に応えうる
 高次の21世紀未来社会論の構築を
 可能にするのではないか。

以上、昨年9月末から3ヵ月にわたり
当ホームページに連載した
シリーズ“21世紀の未来社会
―世界的複合危機、混迷の時代を生きる―”
(全13章)を
核心のごく肝に絞ってあらためて要約解説した。

 これを手始めに、今後も折々に
 激動する今日の時代状況や
 これまでにお寄せいただいた
 ご感想、ご意見、疑問点にも触れながら
 読者のみなさんとともに
 このシリーズ全13章を随時
 再吟味していきたいと思う。

わが国の今日の腐り切った「政治」の現実
ウクライナ戦争が如実に示す
危機迫る世界戦争の本質も
こうした新たな世界認識の構築と鍛錬によって
より深く捉えることが可能になるのではないか。

 そして、何よりも今日の混沌の中から
 めざすべき21世紀の未来像が
 より鮮明に浮かび上がってくるであろう。

こうした期待を込めて
要諦再読をスタートさせたいと思う。

シリーズ“21世紀の未来社会 ―世界的複合危機、混迷の時代を生きる―(全13章)の≪目次一覧≫は、下記リンクのページをご覧ください。
https://www.satoken-nomad.com/archives/1823

※1 シリーズ“21世紀の未来社会”の第三章「今こそ近代のパラダイムを転換する」https://www.satoken-nomad.com/archives/1911、および第十二章「高次自然社会への道」https://www.satoken-nomad.com/archives/1988の2節「人類史を貫く『否定の否定』の弁証法」を参照のこと。
 なかんずく「自己組織化」については、スチュアート・カウフマン 著、米沢登美子 監訳『自己組織化と進化の論理 ―宇宙を貫く複雑系の法則―』(日本経済新聞社、1999年)、原典Kauffman,Stuart “AT HOME IN THE UNIVERSE:The Search for Laws of Self-Organization and Complexity”,Oxford University Press,Inc.,1995を参照。

※2 同シリーズ“21世紀の未来社会”の第六章「あらためて考える21世紀の未来社会」https://www.satoken-nomad.com/archives/1946の2節「草の根民主主義熟成の土壌、地域協同組織体『なりわいとも』の生成・展開」、および第七章「『匠商家族』と地方中核都市の形成」https://www.satoken-nomad.com/archives/1957を参照のこと。

2023年2月6日
里山研究庵Nomad
小貫雅男・伊藤恵子

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これからも、読者のみなさんからのご感想などをお待ちしています。

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