連載“高次自然社会への道” 終了にあたって≪2≫
連載“高次自然社会への道” 終了にあたって≪2≫
今や猶予なき喫緊の国民的課題
「菜園家族」を土台に築く近代超克の先進福祉大国 ②
―高次の新たな社会保障制度の探究―
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連載 “高次自然社会への道” 終了にあたって≪2≫
「菜園家族」を土台に築く近代超克の先進福祉大国 ②
(PDF:615KB、A4用紙12枚分)
4 近代超克の円熟した先進福祉大国への可能性
社会保障の財源としての税については、これまた社会のあり方やその性格が変われば、当然のことながら変化していく。
税は「富の再分配」の装置でもある。支配的な「富の財源」が土地であれば地租が、そして資本主義工業社会であれば、第一次産業や企業での生産労働、そして企業の営業活動が「富の源泉」となり、所得税、法人税が税収の主要部分を占める。そして消費が社会の全面に現れてくると、消費税が注目されてくる。さらに「ストック」が顕在化してくると、環境ないしは自然という究極の「富の源泉」に目が向けられてくる。固定資産税や環境税である。
このように考えてくると、「労」「農」一体融合の新たな人間の社会的生存形態、「菜園家族」を基調とするCFP複合社会においては、税制のあり方は、この社会の客観的性格および目指すべき理念に基づいて、「干からびた細胞」同然の賃金労働者を基盤に成り立つ資本主義社会とは、根本的に違ってくるのは当然であろう。
CFP複合社会の資本主義セクターC内の企業への合理的かつ適切な課税、企業の莫大な内部留保への課税強化、株式・金融取引への大幅な累進課税等々によって、財源は飛躍的に強化・改善されていくであろう。